夢のVR対応モードついに配信「デッド オア アライブ エクストリーム 3」

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多くの「デッド オア アライブ」ファンおよびPlayStation VRオーナーの皆さんが長らく待ち望んでいたであろう、「デッド オア アライブ エクストリーム 3」のVRモード「VRパラダイス」が、ついに1月24日に配信がスタートとなる。

本アップデートは有料で1,500円(税別)。
PlayStation Storeにて「VRパスポート」を購入すると、VRモードへのアクセスが可能になる。
ゲーム本体(『デッド オア アライブ エクストリーム 3 フォーチュン』)の製品版を所有しているユーザーには“配信延期のお詫び”として2月28日まで無料提供が行なわれるが、基本無料版の場合は当初より有料配信となる。
また本モードのみプレイステーション 4 Proにも対応しており、ハイクオリティな映像を楽しめる。

さて待望のVRモードというわけだが、これは2016年3月24日に発売された「デッド オア アライブ エクストリーム 3」にPlayStation VR専用モードを追加するもので、ビーチで戯れる格闘ヒロインたちの健康的な姿をVRならではの迫力と実在感で楽しめる各種コンテンツを収録。
当初は2016年10月13日のPS VRローンチに合わせて配信が予定されていたものの、9月に突然の延期が発表され、長らく時期未定となっていたものだ。
そのままお蔵入りになってしまう可能性もあっただけに、今回の配信スタートの知らせは嬉しい限りだ。

■好きなVRシーンを選べる! かすみが、ほのかが、マリーが、目の前にいます
「デッド オア アライブ エクストリーム 3」といえば、南国のビーチ「ザックアイランド」を舞台に、水着に着替えた格闘ヒロインたちの健康的な美しさを存分に堪能できる、破壊力たっぷりの癒し系コンテンツである。
しかしこれまでは、どんなに彼女たちが生き生きと描かれていようとも、四角い画面の向こう側から眺めるほかはなかった。
従来の表示方法ではいくらカメラを近づけようとも、そこにはやっぱり冷たいスクリーンの壁が立ちはだかっていたわけである。

本アップデート「VRパラダイス」こそ、その二次元の壁を突破する切り札だ。
PS VR対応により、高視野角&両眼立体視によるリアルスケールのVR空間と化したオーシャンビーチ。
ひとたびヘッドマウントディスプレイ(HMD)をかぶれば、そこはかつて画面の向こう側だった世界に入り込める。
「デッド オア アライブ」のキャラクターたちと同じ空間にあなた自身が入り込めるのだ。
そして目の前には、あこがれのヴィーナスがいる。
画面の向こう側ではなく、そこに!
というわけで本モードは「デッド オア アライブ エクストリーム 3」本編の純粋な拡張モードとなっており、3つのモードで本編の全キャラクターをVR的に楽しめるようになっていることが特徴だ。

・イベントパラダイス
様々なイベントシーンを好きな順番で並べ、オリジナルのストーリーやシチュエーションを楽しめるモード。
各キャラクター毎に固有のシーンが多数用意されており、例えば海辺ではしゃぐ、花火をロマンティックに鑑賞する、などなどのイベントがある。
シーンを繋げて一連のフィルムにして視聴することも、各シーンを個別に鑑賞することもできる。

・グラビアパラダイス
様々なグラビア撮影シーンを好きな順番で並べ、様々なポーズや動きを楽しめるモード。
キャラクターごとにたくさんのシーンが用意されており、各シーンを個別に鑑賞することもできる。

・フォトパラダイス
100種類以上ものポーズから好きなものを選び、時間制限なく鑑賞できるモード。

すべてのモードに共通して、自由に背景や衣装を選択することが可能だ。
水着その他の衣装は本編でアンロックした全種類がVRモードも利用できる(その数、全DLCも含めると700種類以上)。
そのうえこだわりを感じるのは、キャラクターの日焼け具合や肌の濡れ具合、着崩れ(本編同様に一部衣装で対応)といったパラメーターもシーンごとに設定できるという、徹底したカスタマイズ性だ。

例えば「イベントパラダイス」では、朝、ビーチでまったりしているシーンでは日焼けや濡れを控えめに、海ではしゃぐシーンでは日焼けを20%+濡れ表現を強めに入れつつ着崩れもさせて、夕暮れのシーンでは日焼けを50%にアップさせて、1日海で遊んだ感を演出する……みたいなこともできる。
ビーチにプール、室内、さまざまな時刻、多彩なシチュエーションが用意されているので、ユーザー好みのシーン演出も自由自在である。

また、VRシーンでは○ボタンと×ボタンで前、横、後ろといったカメラポジションを切り替えることが可能だ。
そこを起点にして、PS VRで動ける範囲内で自由に視点を動かし、好きな距離・角度でキャラクターの姿を見ることができる。
工夫次第でどんなアングルも自由自在なのがVR的な素晴らしさ。
ちなみにキャラクターにめり込むほど近づくと、めり込む前に画面が暗転する仕組みがある(ここは『サマーレッスン』等と同様だ)。

このように「VRパラダイス」はVR的なインパクトを存分に楽しめるよう、自由度を重視して構成されており、ゲーム性はあえて排除されている。
ゲーム的な部分は本編で充分に用意されているということで、VRモードではただひたすらにキャラクターの魅力を身近に感じられるよう、一切のハードルをなくしているというわけだ。
美しく描かれたグラフィックス、というよりは、目の前で生きているキャラクターたちの生気あふれる姿に、思わず見とれ、時間を忘れてしまう。
これは本編以上の破壊力、あるいは人類がまだ体験したことのない何物かとの遭遇だ。

■これでもかなり自重したらしい! 思わずドキリとする、VRならではの仕掛けもしっかり
「デッド オア アライブ」の格闘美女たちを間近で楽しめるこのVRモード。
ひとつ気になるのは、当初PS VRのローンチに合わせて予定されていたリリース予定がここまで延期されてしまった理由だが……。

本作の制作を指揮したコーエーテクモゲームス エンタテインメント事業部 Team NINJAディレクターの新堀洋平氏に話をきいたところ、延期の理由は「お話しできません」と。
というわけでここは筆者の推測になるが、様々な状況証拠から察するに、延期されていた間、本作制作チームは血の涙を流しつつ“自重”する努力を続けていたに違いないのである。

とくに大きなポイントとなっているのは、昨年夏に初披露されたバージョンから、様々なインタラクション機能が消えていることである。
ひとつは、DUALSHOCK 4に連動するザックセンサーというギミックを使った“おさわり”機能の排除。
また、ザックセンサーを振ることで風を送り、髪やスカートをたなびかせる……といった機能も、完成バージョンには搭載されていない。
つまりざっくりというと、ネガティブな反応を引き出すキャラクターインタラクションはカットされているのである。

唯一残されたVR的なインタラクションは、「△ボタンを押すとキャラクターがこっちを見てくれる」というもの。
目と目が合う瞬間、まるでこっちの存在をしっかり意識してくれているようで、おもわずドキッとする。
心理的距離もさらに近づくというものだ。
ただこっちを見るだけでなく、きちんと自然な動きで振り向き、笑顔を投げかけてくれるという凝ったものになっているのは重要なところだ。
本作のVR的な表現についての力の入れようがよくわかる。

それだけに、昨年の時点では存在した様々なインタラクションが半年以上経過して強化されるどころか完全にオミットされたというのは、もう間違いなく自主規制であろう。
素敵な衣装の魅力的すぎるキャラクターだけに、VR化の威力は凄まじいものがある。
従来の平らな画面では許容できたインタラクションも、VRの圧倒的な実在感の上で行なえば、また次元の違うものになるのは間違いない。
特に「デッド オア アライブ」は国際的に大きなバリューを持つ人気シリーズゆえ、いろいろな批判の矢面に立たされやすい。
そんな中でできうるギリギリのラインを探り、調整し、健全な内容でパッケージングした結果が、今回のバージョンということになるだろう。

というわけで完成された本作は健全な内容である。
その上でTeam NINJAでは本作の完成度をさらに高めるため、PS VRならではの工夫を多数凝らしているようだ。
新堀氏はその詳細については「秘密です」と話していたものの、筆者が体験した中でもいくつかのポイントに気がつくことができた。

ひとつは、明らかにキャラクターの寸法が、リアルサイズよりも大きく感じられるようになっていることだ。
キャラクターが大きいというよりは、ユーザーが小さい、という空間設計になっているのかもしれない。
いずれにしても、相対的にキャラクターが大きく見えるおかげで、安直なリアル描写よりも迫力アップ。
PS VRの限られた解像度を感じさせることなく、クッキリハッキリとディテイルを見ることができる。

さらに、ライティングの工夫もしてありそうだ。
ユーザーは好きな視点からキャラクターを眺められるため、素直に描写すれば照明によっては見づらくなる位置・角度があって然るべきなのだが、「VRパラダイス」の中ではそんなことはなく、どの角度から見てもしっかりと見やすく、かつ陰影の自然さを損なわないようになっている。
ユーザーの視点位置に応じて絶妙なライティングの調整がなされていそうだ。

さらに、PS VRヘビーユーザーの皆さんには嬉しいPS4 Proへの対応である。
ノーマル本体とProを比べると、Proのほうが細部がクッキリとしており、エッジの描写も美しい。
新堀氏によれば「PS4 Proでは本編の印象に限りなく近づきます」とのこと。
VRではグラフィックスの描画に必要なパワーがざっくりと倍程度になるため、ノーマルのPS4ではある程度解像度や質感の部分で妥協しなければならないものの、PS4 Proならフラットスクリーンと同等のクオリティでVRも楽しめる、というわけだ。

ここまでこだわりが込められていれば、これまでの配信延期も無駄ではなかったというもの。
PS VRオーナーの皆さんには「デッド オア アライブ エクストリーム 3 VRパラダイス」にて、VR体験の新境地をぜひ楽しんで欲しい。

なお、「VRパラダイス」配信を記念して1月24日より「DEAD OR ALIVE Xtreme 3 Fortune」のダウンロード版の割引セールが実施される。
製品版を割引価格で購入できるだけでなく、「VRパスポート」も無料で入手することができる。

さらに、基本無料版でより手軽に楽しめる「VRパスポートセット(マリー&ほのか使用権つき)」もお得な価格で配信される。
基本無料版での「VRパラダイス」を始めるための入門セットの位置付けとなるので、こちらで試してみるのも良いだろう。

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