“2020年までに” 人手不足なのにプロジェクト続々

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2020年、といえば東京オリンピックが開催される年ですが、オリンピック以外の話題でもよく耳にするような気がしませんか?調べてみると、2020年までにやりますという大きなプロジェクトが関西にも数多くあることがわかりました。
ところが建設現場ではすでに人手不足の影響が。
2020年、本当に大丈夫なのでしょうか?
3年後に迫った2020年。
オリンピックが開かれるのはもちろん東京なのですが、なぜか関西でも2020年を目標にした計画が数多く動き出しています。

京都市は、2020年までにホテルなどの客室を6000室増やすとしていて、大阪市はさらに倍、1万2000室増やすとしています。
奈良市にも超高級ホテルが開業予定で…USJには任天堂のアトラクションがオープン。
オリンピックによる観光客増加を見越した計画が多いようですが、それだけではありません。

今月、国交省が指定した「改良すべき踏切」もその期限は2020年。
利用者の多い駅にホーム柵を設置するという目標も2020年。

北大阪急行が箕面まで延伸されるのも2020年度の予定です。
さらに…
「梅田から1駅、地下鉄中津駅前には、37階建てのタワーマンションが建っているんですが、交差点の反対側に50階建てのマンションが、さらに道を挟んだ南側にも45階建てのマンションが建設中で、2020年には3棟のタワーマンションが交差点を囲むことになります」(神崎智大記者リポート)
大阪の中心部では、2020年までに14棟ものタワーマンションが建設されるほか、高さ100メートルを超えるホテルやオフィスの開発計画も目白押しです。
これほど多くのプロジェクトに建設業界は対応できるのでしょうか?現場ではすでに人手不足が始まっていました。

「ここは京都市役所の新しい庁舎ができる場所です。
4月から工事開始予定ですが、施工業者がまだ決まっていません」(米澤飛鳥記者リポート)
昭和2年に建築された京都市役所。
レトロな雰囲気が魅力ですが、建物の裏側に回るとダクトや配線がむきだしでかなりくたびれた雰囲気です。
耐震性にも問題があるため、京都市は大規模な改修事業を行うことを決定。
隣に新庁舎も建てる一大プロジェクトで、4月から工事を始める予定だったのですが…
「現在ちょっと、一部業者が決まっていないところもあるので調整中」(京都市庁舎管理課楠木政広課長)
原因は「入札不調」。
予定価格内で工事を請け負ってくれる業者が見つからなかったのです。
背景には人手不足があると分析しています。

「建設業界も活況でございまして、非常に長い42か月かかる工事なので、業者さんの負担も大きかったのかなと」(京都市庁舎管理課楠木政広課長)
こちらは大阪・松原市にある工務店。
住宅のリフォームやホテルの内装などを請け負い、外国人に人気の道頓堀ホテルでは玄関の装飾も手がけました。
最近は仕事を探すより職人を確保する方が大変だといいます。

「工事をするのに、誰でもいいっていう大工さんでは無理。
ある程度熟練して経験がなかったらできないので。
(職人が)高齢化してますよね。
リタイアしてる人が多いさかい…」(エムエス工務坂井先太郎社長)
2020年に向け関西の人手不足は、東京よりも深刻な状況になる可能性があるといいます。

「(オリンピックで)大阪の職人さんが東京のゼネコンに『人数足らん』と呼ばれて行くとしたら、大阪での数が少なくなってくる。
その時にどうやって人を集めるか…」(エムエス工務坂井先太郎社長)

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