「Pokemon GO」で街中が一色 ダウンロード数は140万を突破
7月22日10時に日本で公開されてから、世界中で140万ダウンロードを突破しているスマートフォン向け位置情報ゲーム「Pokemon GO」。
TwitterなどのSNS上でも話題はPokemon GOで持ちきりとなっており、22日18時頃にはアクティブユーザー数の増加にサーバが耐えきれなかったのか、一時的にログインできなくなるなど、開発側の想定を上回る人気ぶりがうかがえる。
このようにネット上で人気なのは一目瞭然であるが、実際屋外にはどれだけのプレイヤーがいるのだろうか。
外でのPokemon GOの「空気」を取材した。
●明らかに普段とは違う光景立ち止まりスマホを眺める人々
まずはこういった趣味の発信地でもあり、「Ingress」のポータルが多い(すなわちポケストップが多い)秋葉原へと足を向けた。
秋葉原へ行くためにオフィスから半蔵門駅までをまず歩いたのだが、10分足らずのこの距離でも、Pokemon GOプレイヤーを容易に発見できた。
立ち止まり、スマホを凝視し、指をスライドさせている、というのが特徴だ。
それに加えて、ポケモンの出現位置と種類はどうやらユーザー間である程度共通するので、ある場所付近に上記のような挙動の人物が複数いるというのも特徴といえる。
秋葉原では「ベルサール秋葉原」の横のスペースで多くの人が足を止め、Pokemon GOに熱中する様子が見られた。
街中のPokemon GOプレイヤーを見ていると、男女比はほぼ半々、年齢は20〜40代が中心という印象だった。
声をかけて話を聞いてみると、「リアルの世界でポケモンを捕まえられるのが楽しい」「さっき学校が終わったので、まだ始めたばかり」「歩きながらのプレイはしないように注意しています」など、Pokemon GOへの期待感や満足感、また「歩きスマホ」への注意をあらためて心掛けているといった声を聞くことができた。
●やはり歩きスマホは発生する
一方で、スマホの画面を注視しながら歩いてプレイしている人や、ポケモンを捕まえることに気を取られ、車が来ていることにも気付かず、道路の真ん中で立ち止まってしまう人も中には見受けられた。
歩くことでポケモンや道具を集めるというゲームの性質上、歩きスマホが発生してしまうのは必然ともいえる。
しかし、Pokemon GOの公式サイトは大きな赤枠で注意点を表示しているし、Pokemon GOの話題性から菅義偉官房長官からも「公共でのマナーを守って」という言及があるほど、安全なプレイについてアナウンスされている。
やはりゲームするに当たっては、まずは現実でのマナーやルールを第一にプレイすることが、良いPokemon GOプレイヤーであることの条件だ。
●ポケモンセンターメガトウキョーの様子は
この様子だと、池袋の「ポケモンセンターメガトウキョー」はPokemon GOプレイヤーであふれているのでは、と思い、実際に行って売り場の担当者に取材した。
――Pokemon GOによる売り場への影響はありますか?
担当数で言えば、昨日に比べてお客さまの人数が多いということはないです。
通常の平日と同程度です。
もちろん、Pokemon GOをやっていらっしゃるお客さまは多いですが。
と、集客に関しては現在影響はないとのことだった。
お店の周りのポケモン出現率を上げるような施策を打っているかということに関しても「少なくとも売り場としてはやっていません。
出現率が上がっているとしたら、開発側か、あるいはお客さまがアイテムを利用されているのではないでしょうか」(担当者)ということだ。
しかし、実際にポケモンセンターメガトウキョーの前でPokemon GOを起動すると、ポケモンの出現率は他の場所に比べてかなり高かった。
ポケモンセンターメガトウキョーは、Pokemon GO上でプレイヤー同士が育てたポケモンを戦わせる「ジム」になっている。
ジムでの対戦に備え、ここでポケモン集めをする(アイテムを使用して出現率を上げる)プレイヤーが多い結果として出現率が上がっていたのかもしれない。
●行き交う人々からポケモンの名前が聞こえる
一番印象的だったのは、特に聞き耳を立てていなくても「イーブイいた!」「またナゾノクサか」など、街のそこら中からポケモンの名前が漏れ聞こえたことだ。
外で歩くのが前提というこのゲームの性質を加味しても、サービス開始初日からここまで話題になるスマートフォン向けゲームというのは、Pokemon GOが初めてではないだろうか。
この人気が今後とも続くのか、それとも一過性のものなのか。
任天堂は22日付けのリリースで「当社連結業績予想に織り込み済み」と、業績予想の修正は現時点ではしないと発表している。
さまざまな人々が、このPokemon GO熱の行き先に注目していることだろう。
◇男子ゴルフツアーダンロップ・スリクソン福島オープン第2日(2016年7月22日福島県西白河郡西郷村グランディ那須白河ゴルフクラブ=6961ヤード、パー72)
33歳の誕生日だったツアー通算5勝の松村道央(吉野電化工業)が7バーディー、ボギーなしでこの日ベストの65をマーク。
通算7アンダーに伸ばして71位から10位に急浮上した。
スタート前にスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」をダウンロード。
上機嫌でラウンドして好スコアをゲットした。
キムボンソプ(33=韓国)が65で回り通算13アンダーで単独首位に立った。
インから出た松村は11、12番の連続バーディーで勢いに乗った。
15、16番では2メートルにピタリ。
177ヤードの17番パー3は8Iでピン側へ。
18番も3メートルのチャンスをつくり4連続バーディー。
アウトでも1つ伸ばして、ボギーなしにまとめ「ショットでバーディーが取れた感じ」と頬を緩めた。
この日が33歳の誕生日。
もちろん今季自己ベストスコア65は最高のご褒美に違いないが、もう一つのプレゼントが届いたのはスタート前だった。
米国などで人気が爆発し社会現象となっているスマホ向けゲームアプリ「ポケモンGO」の日本国内での配信が、この日午前10時すぎに始まった。
コース到着後マッサージを受けている時に関係者から知らされた松村は、ベッドの上でスマホを操作。
午前10時42分、ダウンロードに成功した。
「5歳の時にファミコンをやったのが最初。
携帯ゲームは4年前からやっている」という筋金入りのゲーマー。
特にロールプレーイングゲームが大好き。
オフには1日20時間、3日連続部屋にこもって「ファイナルファンタジー」をプレーしたこともある。
ここ数日は「ポケモンGO」がいつ配信されるのか気になって仕方なかったという。
念願かなって「ダウンロードできて、つかえていたものが取れて、良いスコアが出たんじゃないかな」と満足そうに話した。
ゴルフへの好影響もあったようで71位から10位にジャンプアップ。
昨年10月のブリヂストン・オープン以来のツアー通算6勝目も視界に入った。
「3日目が終わって優勝争いできる位置に行けるように頑張りたい」。
ポケモンを探すためではなく、タイトルを手に入れるため、残り2日間コース内を歩き回る。
≪ポケモンGO≫任天堂などが開発。
スマホの位置情報や地図データを活用し現実の世界にポケモンが隠れているという設定で遊べる。
画面上のボールをポケモンに当てると捕まえることができる
◇「ポケモンGO」日本配信(2016年7月22日)
「ポケモンGO」は、経済効果への期待も大きい。
経済評論家の森永卓郎氏によると「トータル10兆円規模で、政府の景気対策並み。
リニア新幹線に匹敵する」という。
米国などで配信が始まった6日以降、任天堂の株価は約2倍に上昇。
時価総額は約2兆円はね上がった。
コラボする日本マクドナルドは大幅な集客増が見込まれ、今後多くの企業が任天堂の許可を得て、ゲームのアイテムを配置するなどの手法で参入しそうだ。
森永氏は「イベントや観光地、商店街の活性化など、いくらでもやりようがある」と多業種に効果が波及すると指摘する。
ゲーム雑誌「ファミ通」を発行するカドカワの浜村弘一取締役は「ポケモンGOは人を動かす集客のインフラとなる。
町おこしのツールとしても注目される。
多数の人の少額課金に加え、企業などと提携して収入が入ってくるシステムもあり、ハイブリッドのビジネスと言える」とした。
「ポケモンGO」大ヒットの理由を、ITジャーナリスト井上トシユキ氏は「これまでもGPSと連動し、バーチャルリアリティーを売りにしたゲームはあったが、今回のは凄く性能がいい」と分析する。
1996年に誕生したポケモンは今年で20周年。
井上氏は「小中学生の頃から慣れ親しんだ20〜30代が、ポケモンGOのコアユーザーとみられる。
このタイミングの発売も絶妙」と指摘。
この世代は、子供の頃に胸躍らせた世界観を鮮烈に持っている。
それをリアルに再現するゲームが、成人して金銭に余裕のできた時期に完成した意味は大きいのかもしれない。
2016年9月30日に発売予定のゲームソフト『FINAL FANTASY XV』(PS4版/Xbox One版)と世界観や時間軸、キャラクターを共有していて、アナザーストーリーとして展開するフルCG長編作品『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV(キングスグレイブ ファイナルファンタジーXV)』が口コミで好評を博し、週末の興行に至っては満席状態が続いている。
なぜこうも盛り上がっているのか、本作のディレクターを務める野末武志氏に話を聞いた。
『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』フォトギャラリー
公開10日間で観客動員7万人・興行収入1億円を突破した『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』は、夏休みに合わせ数百館以上で公開される大作映画のなかで、44館公開と小規模ながら公開初週2日間の観客動員数は第10位(興行収入では第9位)にランクイン。
スクリーンアベレージ(1スクリーン当たりの興行収入)では他の大作を抑えてトップを記録している。
『ファイナルファンタジー』の映画化と言えば、2001年に世界初のフル3DCG映画として公開された『ファイナルファンタジー』を思い出す方も多いだろう。
早すぎたフル3DCGだったのか、同作は興行的に大失敗を記録してしまう。
その黒歴史から15年、同じシリーズであるという以外、まったく関連性はないにせよ、再びの映画化に不安や心配はなかったのだろうか。
野末氏はこう話す。
「2005年に、『ファイナルファンタジーVII』の続編を長編のCG映像作品『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』として制作し、共同監督の経験をさせて頂きましたので、長編という部分での不安はありませんでした。
しかしながら、『ファイナルファンタジー』、かつ映画という世間での捉え方が壁となることを思い知らされることがなかったわけではありません。
今回のプロジェクト中盤、僕自身初めて『ファイナルファンタジー』の生みの親である坂口博信さんにお会いして、本作のお話をする機会を頂いたのですが、挑戦することに対しての姿勢に対し激励頂き、それ以降はそういった壁に対しても意識することなく安心して臨めました」。
そして、そもそも映画化のきかっけを、「今回の取り組みは、ゲームをより多くの方々に知ってもらいたいという部分や、ゲームから離れてしまった方々にも再び興味を持ってもらいたいということから、ゲームよりも敷居の低い映画という手法で間口を広げられないかと考えて制作しました」と、野末氏は口にする。
実際、公開してみると、「(観客層は)『ファイナルファンタジー』ファン、ゲームファンの方が中心。
かつて『ファイナルファンタジー』を遊んでいただいた方が親子でいらっしゃったと聞いたときは、とてもうれしかったですね。
ただ、正直ここまでの評価を得るとは思っていませんでした。
ゲームへのリンクも今作の大事な娯楽要素で、いくつか謎を残したままの部分もあったので心配はありましたが、多くの方に楽しんでいただけたのは素直にうれしい。
また、過去作を楽しんで頂いた方が楽しめる要素も多く盛り込んでいますので、ぜひ『ファイナルファンタジー』を卒業してしまった方にもご鑑賞して頂きたいです」。
また、野末氏はこうも付け加える。
「『ファイナルファンタジー』という枠をきっちりと守りながらも、エンターテイメント作品にすることを意識し、徹底しました。
『ファイナルファンタジー』独自の設定(クリスタルという強大な力を持つ魔石が力の源である)等はあるのですが、その世界外からやってきた主人公ニックスの視点で描くことで、前情報を知らない一般の方でも入りやすくできないかと考え、そういった点で工夫してあります」。
“FF”と聞くからこそ身構える人もいるかもしれないが、そのアクションや映像は劇場で見てこその迫力。
ぜひゲームファン以外も楽しんでほしい。
また、このヒットを受け、『ファイナルファンタジー』映画化が定番になるのかを聞くと、「個人的に、機会があればぜひ挑戦したいですが、現在のところ予定はありません」とのこと。
だとしたら、『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』を存分に楽しんでおこう。
スマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO(ゴー)」の世界的な人気は、業績不振にあえいできた任天堂にとって、大型の明るいニュースとなった。
これまでほぼ手つかずだったスマホゲーム市場への足がかりをつかむための追い風になると期待されている。
新たな機能などを追加しながら、人気を持続できるかどうかがカギとなりそうだ。
任天堂は今年3月、ディー・エヌ・エー(DeNA)と共同で初めてスマホゲーム「ミートモ」を配信した。
しかし、アイテムなどへの課金要素が少なく利益が出にくいため、市場の期待感は高まらず、株価もここ数年は低迷が続いていた。
それが今月6日に米国でポケモンGOが配信されると、瞬く間に人気が沸騰。
ゲームを有利に進めるためのアイテムはお金を出せば街中を探さなくても簡単に手に入る。
開発した米ナイアンティック社は「非常に多くの方に楽しんでもらい、大変ありがたい」として、課金ビジネスに好感触を得ている。
収益は共同開発会社のポケモンにも入り、ポケモンの株式の32%を保有する任天堂の収益にも3割程度反映される。
これを受けて任天堂の株価は一時、2倍以上に跳ね上がった。
エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「ポケモンGOは1億人くらいのユーザーはすぐに獲得できそうで、月間100億円程度の売り上げが期待できる。
さらに任天堂の知名度を広める効果は絶大」と指摘する。
11月にはゲーム専用機「ニンテンドー3DS」などの人気シリーズ「どうぶつの森」と「ファイアーエムブレム」の2本のスマホ向けゲームアプリを配信する予定。
両シリーズは、ゲーム専用機のソフトも発売しているため、スマホとの相乗効果を狙う。
ポケモンGOの人気を受けて、関連機器やゲーム専用機向けソフトの売れ行きも注目される。
今月中に発売予定の専用腕時計型端末「ポケモンGOPlus」は、スマホと連動して振動やランプの点灯で近くにポケモンが現れた場合などに利用者に知らせる。
今秋には、ゲーム専用機「ニンテンドー3DS」でポケモンシリーズを2作品販売する。
任天堂の担当者は「本業のゲームの売り上げに間違いなく弾みがつくはず」と波及効果に自信を見せている。
ナイアンティック
米サンフランシスコに本社を置くゲーム開発会社。
2011年に米グーグルの社内ベンチャーとして設立された「ナイアンティック・ラボ」が前身。
12年にはスマホの全地球測位システム(GPS)機能による位置情報を使い、実際に存在する名所・旧跡などを奪い合う陣取りゲーム「イングレス」を開発し、スマホ向けアプリとして世界200カ国・地域で配信した。
ダウンロード数は1500万件を超えた。
15年8月に独立して現社名となった。
グーグルのほか、任天堂やゲーム企画会社のポケモン、フジテレビジョンから出資を受けている。
最高経営責任者(CEO)のジョン・ハンケ氏はグーグルの元副社長で、バーチャル地球儀ソフト「グーグルアース」の開発に携わった。
22日に日本国内での配信が始まったスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO(ゴー)」。
先行して配信された米国などでは、事故などが相次いだこともあり社会現象になるほどの人気ぶりだ。
どんなゲームなのか、どんなことに注意すればよいのか。
ポケットモンスターを捕獲する「トレーナー」(利用者)となってプレーしてみた。
(玉崎栄次)
JR川崎駅(川崎市)にいた記者がアプリが配信されたことに気付いたのは午前10時半ごろ。
ダウンロードして、ゲームを始めると、スマホが振動して近くにポケモンがいることを知らせてくれる。
「あ、ゼニガメだ」。
カメラ機能と連動し、画面に映る現実の光景の中に、カメ型のポケモンが現れた。
捕獲に使う「モンスターボール」をポケモンめがけて滑らせる。
3度目でようやく的中し、ポケモンを「ゲット」した。
そのまま国内屈指の電気街、東京・秋葉原へと向かう。
駅のホームでもプレーできる。
「歩きスマホはしない」と決めていた。
だが、基本的には動き回ってポケモンを探すゲームなので、つい画面に目が行ってしまう。
現実とゲームがつながったような感覚が面白いのだ。
秋葉原につくと、バッテリーの残量が少なくなったことに気付く。
意外と電池を食うようだ。
電機店で携帯型の充電器を購入し、充電を始めると、「アーボ(ヘビ型のポケモン)」に遭遇した。
記者がポケモンに熱中した20年前の記憶にはないキャラクターだ。
開発に携わった「株式会社ポケモン」によると、ゲームには約150種が登場する。
シリーズには計720種類以上が存在して「今後も150体のままというわけではない」(広報担当)という。
スマホを見ながら「あ、いた!」と声を上げていた夏休み中の高校1年生の男子生徒(16)=東京都台東区=に声をかけた。
終業式では「歩きスマホ」をしないよう教員から注意されたという。
「すれ違う人とぶつかりそうになった。
気を付けたいけど、ゲットしまくりたい」
上野公園(台東区)へ移動し、17日に世界文化遺産に登録されたばかりの「国立西洋美術館」へ。
敷地近くで、炎をまとう「ブーバー」を捕獲した。
「強そうだ。
こいつを育てて他のトレーナーとの対戦に備えよう」。
ゲーム中に手に入る道具を使えば、強さを示す数値を上げられる。
公園を離れ、住宅街へ向かった。
信号待ちで、画面に熱中するあまり青信号に変わったことに気付くのが遅れる。
混雑した場所では迷惑な存在になりかねない。
小さな交差点では、自転車と衝突しそうになった。
歩きスマホには気を付けていたつもりだが、画面に出てきたポケモンを追いかけて、つい足を進めていた。
猛省しつつ、子供たちの交通事故が心配になった。
■中国人が住宅敷地侵入/京都御所で警報音/出雲大社は禁止
ポケモンGO配信初日の22日、国内各地でトラブルが相次いだ。
宮城県大崎市三本木では午後3時ごろ、市営住宅の敷地に中国人男性2人が侵入した。
県警古川署によると、中国人2人は「ポケモンGO」のプレー中に敷地内に入り、不審に思った住民が声をかけたという。
京都市上京区の京都御所では午後0時半ごろ、ゲームに夢中になった大学1年の男子学生(18)が塀に近づき、侵入防止用の警報音が鳴る騒ぎがあった。
熊本市の熊本城でも、20代とみられる男性が、案内人に「ポケモンGOをプレーしたい」と伝え、立ち入り禁止区域内へ侵入しようとした。
市は任天堂に対し、城の敷地にポケモンが現れないよう措置を取るよう申し入れた。
情報セキュリティー大手のトレンドマイクロ(東京)は、ポケモンGOの偽アプリを20日までに43種類確認したと明らかにした。
島根県出雲市の出雲大社は22日、境内でポケモンGOを使うことを禁止するとホームページに掲載した。
真剣な気持ちで参拝している人がいる中で遊びに興じるのはふさわしくないと判断したと説明している。
任天堂などが開発したスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の配信が22日、人気キャラクター「ポケットモンスター(ポケモン)」発祥の地である日本でも始まった。
先行配信された米国などでは爆発的な人気を集めており、日本でもヒットが期待されている。
ただ、海外では、スマホ画面を見ながら歩く人がけがをするなどのトラブルが続出しており、日本政府も事故防止へ異例の注意喚起をしている。
同日は一時、ログイン障害が発生しゲームが開始できなくなった。
夕方過ぎから仕事を終えた人たちがゲームに殺到しサーバーがダウンしたためとみられる。
米アップルの日本向けアップストアの無料アプリランキングでは1位になった。
配信は6日に米国やオーストラリアなどで開始され、その後ドイツや英国など30カ国以上に拡大。
アジアでは日本が初めてとなる。
■民進は表記なし「“未来の与党”でお願い」
日本でも22日に配信が始まったスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」だが、ゲーム上の自民党本部と民進党本部の扱いの差が永田町で話題を呼んでいる。
ゲームを操作して永田町を歩くと、自民党本部付近では「自由民主党永遠の与党」と表記される。
一方、民進党は党本部が入居するテナントビルの名前の「MIYAKEZAKABUILDINGMURAL」(三宅坂ビル)と表記されるだけで、説明文は一切なし。
自民党は看板入りの写真も掲載しているが、民進党の説明と写真には党名すら入っていない。
この扱いの格差に、党非公認のゆるキャラ「元民主くん」は自らのツイッターで「ちょっと、ちょっと、任天堂さん!民進党の説明文は『未来の与党』でお願いしますね!」と、ゲーム開発に関わった任天堂に呼びかけた。
国内で22日に配信が始まったスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」は、ポケモンのキャラクターブランドを展開する「ポケモン」(東京)と任天堂が構想を温めてきた。
そこに地図情報アプリの技術を持つ米国のゲーム会社「ナイアンティック」が加わり、3社連合で商品化を実現。
「ゲームと現実世界の融合」を果たした本格的なソフトを生んだ。
「ポケモンGOは私と(昨年7月に急逝した任天堂社長の)岩田聡さんが取り組んだ一番大きなプロジェクト。
何が強みかを考え抜いてきた」。
ポケモンの石原恒和社長は5月、産経新聞の取材でこう語った。
岩田氏は生前、約2年間、ポケモンGOの開発に加わったという。
任天堂で岩田氏が目指していたのは「ゲーム人口の拡大」だ。
平成16年に発売した携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」では、プレーヤー同士が近づくとデータを交信する「すれちがい通信」を導入。
ゲームを実社会に波及させることで、ゲームユーザーの増加を狙っていた。
すでに、任天堂の携帯型ゲーム機向けに8年に第1弾が発売されたポケモンのソフトは、人気ソフトとして成長。
「ゲームと現実世界の境目を取っ払う」(石原社長)との理念のもと、両社は、ポケモンGOの開発に取り組んだ。
技術面では、米グーグルから独立したナイアンティックが大きな役割を果たした。
同社は衛星利用測位システム(GPS)を駆使したスマホ向けゲーム「イングレス」で情報蓄積の実績があったからだ。
任天堂は、26年3月期まで3期連続の営業赤字を計上。
ゲーム専用機の不振で経営が低迷している。
それだけに、ポケモンGOがもたらす業績への好影響に期待がかかる。
ポケモンGOは無料だが、ゲームを有利に進めるための道具を入手するには課金され、一部有料となる。
収入はポケモンとナイアンティックに入り、任天堂には入らないが、任天堂はポケモンの株式の32%を保有。
ナイアンティックには任天堂、ポケモン、グーグルの3社が出資している。
任天堂は、配当のほか、株式持ち分に応じた利益を得ることができる。
任天堂が開発したスマホと連動する腕時計サイズの専用端末「ポケモンGOプラス」が近く発売される予定で、ソフトがヒットすれば売り上げに貢献する可能性がある。
来年で生誕25周年を迎える任天堂のアクションゲーム『星のカービィ』をテーマにした「カービィカフェ」が8月5日、「カフェ ラ・ポーズ ルクア大阪店」(大阪市北区)に期間限定でオープンする。
「デデデ大王の超まんぷくプレート」や「ウィスピーウッズのグリーングリーンズプレート」
すでにツイッターの公式アカウントには5万人以上のフォロワーがいるなど、オープン前から注目を集めている「カービィカフェ」。
カービィを忠実に再現した「カービィのふんわりパンケーキ」や、りんごの木のボス「ウィスピーウッズのグリーングリーンズプレート」、ネーミングがおちゃめな「メタナイトの夜な夜なこっそり食べてるパフェ」など、ゲームのファンなら思わずニヤリとしてしまうメニューが多数登場する。
ほかにも同館地下1階にオープンする「カービィカフェ オフィシャルショップ」では、ランチトートやマグカップ、カービィが使用するアイテムの「マキシムトマト」や「スターロッド」のアクリルマドラーなど、オリジナルグッズも販売される。
カフェの期間は8月5日から9月4日まで。
先行配信された米国などで爆発的にヒットした任天堂のゲーム用アプリケーション「ポケモンGO(ゴー)」が22日午前、日本で配信された。
米メディアは当初、日本配信を20日と報じ、さらに延期報道が出るなど情報が錯綜(さくそう)した中での突然の公開。
関連の商機を狙い配信時期を見極めていた県内家電量販店は急転直下、対応を急いでいる。
「夏休みに入ったこともあり、同アプリユーザーの来店が増えてくれれば」。
同日、関連機器をアピールするコーナーの準備を急きょ進めたノジマMARKISみなとみらい店の担当者は笑顔で話した。
本部のノジマ(横浜市西区)は21日、準備を進めるよう各店舗に指示を出していたが、予想より配信が早かったという。
同社担当者は「準備はしていたが、22日とは思わなかった。
取り組みを急いでいる」と明かす。
アプリはスマートフォンやタブレット端末を使用する。
配信を機に親が子どもに端末を買い与えたり、最新機種への買い換えが進んだりすることに期待し「大きなチャンス」と同社。
周辺機器も有望だ。
拡張現実と呼ばれる技術で現実の風景に現れたキャラクターと対戦する同ゲームでは、端末を持ち歩く必要がある。
そのためモバイルバッテリーなどの電源や、目の負担になる画面からのブルーライトを軽減するフィルムなどの需要を見込み、品ぞろえを充実する方針だ。
ヨドバシカメラ・マルチメディア横浜(横浜市西区)も対応を急ぐ。
同店幹部は「ポケモンGOは通信量がそれほど大きくないので、仕事用などと分け、ゲーム専用の2台目の購入を格安スマホなどで考えてもらうチャンスも大きいと思う」。
配信後初の週末となる23日から、接客時に提案していくという。
同店は、ポケモンそのもののブーム再燃も見通し、すでにDVDやぬいぐるみなどの関連グッズコーナーを設置。
ゲームソフト売り場でも、新たにモバイルバッテリーの陳列を始めた。
任天堂などが開発したスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の配信が22日、「ポケットモンスター」発祥の地である日本でも始まった。
県内でも、利用者がゲームを楽しんだ。
福島市の県立美術館では、高校生らがゲームに挑戦し「ポケモンを捕まえるのが楽しい」と笑顔。
ただ周囲には自転車を運転しながらゲームに興じる市民の姿もあった。
米国を中心に社会現象になるほどの人気になりプレー中の転倒などトラブルが続出していることから、日本政府は事故防止へ歩行中や自転車に乗りながらの利用を避けるよう注意を促している。
原子力規制委員会は原子力施設周辺の警備強化を大手電力に要請した。
「ポケモンGO(ゴー)」の国内配信開始は足踏みを続ける日本経済にとって追い風になりそうだ。
ゲーム内課金だけでなく、外でポケモンを捕まえるための交通費、外出先での飲食費、関連グッズの出費などで個人消費が押し上げられる可能性が高いからだ。
国内配信開始が伝えられた22日午前の東京株式市場では、任天堂など関連銘柄が瞬く間に急騰し、成長期待の高さを物語った。
22日の東京株式市場では任天堂の前日終値からの上昇率が一時、6%を超え、節目の3万円に迫る場面があった。
関連銘柄も活況で、ゲームと連携したサービスを実施する日本マクドナルドホールディングスは一時9%超上昇。
子会社が関連施設を運営するサノヤスホールディングスと、子会社がポケモンのアニメを制作しているイマジカ・ロボットホールディングスは終値が1割以上も値上がりした。
関連銘柄に買いが殺到したのは、ポケモンGOが国内でも大ヒットするとの期待が強いためだ。
米国では配信開始から数日で1000万ダウンロードを突破。
日本でも利用者が爆発的に増えれば、直接、間接のサービスやグッズの販売拡大につながるのは確実で、第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは、その経済波及効果は「計り知れない」と話す。
任天堂にとっては利用者が増えるほどゲーム内で道具を手に入れるための課金が膨らむ。
さらに、近く発売を予定する、スマホを見なくても近くにポケモンがいると振動などで教えてくれる連動玩具「ポケモンGOプラス」も確実に販売を伸ばすとみられている。
周辺ビジネスも盛り上がりそうだ。
攻略本のほか、漫画やアニメ作品、人形などの関連グッズのほか、異業種とのコラボ商品、スマホの充電切れに備えた用品の提供、関連イベントの開催など、数え上げればきりがない。
こうした関連需要が低迷する消費を押し上げるとの期待は、市場関係者の間で強い。
ただ、その半面、ゲームやスマホに出費がかさみ、他の消費を切り詰めてしまえば、効果は限定的とする見方もある。
任天堂などが開発したスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の国内配信で提携した日本マクドナルドは、国内全2900店で連携したサービスを提供することによって店舗の集客増につなげる狙いだ。
マクドナルドは、2014年7月の使用期限切れ鶏肉問題と15年1月の異物混入問題の発覚が響き、既存店来客数は15年12月まで32カ月連続で前年割れと低迷。
今年になってから6カ月連続でプラスに転じたものの、「回復は道半ば」(外食アナリスト)だ。
今回の提携がマクドナルドの集客増と業績回復につながれば、他の外食チェーンや流通各社などにも提携の動きが広がりそうだ。
「配信を待っていた。
思った通り面白いので、マクドナルドに来る機会も増えそう」。
22日午後、東京都大田区の「マクドナルド1号線池上店」の店内で、友人と2人でポケモンGOをプレーしていた同区の中学2年の男子生徒(14)はこう話した。
マクドナルドの店舗で提供されるサービスは他のプレーヤーと利用者同士が対戦できる「ジム」が約400店、ゲームを進める上で必要なアイテムを手に入れる「ポケストップ」が約2500店。
同じ店舗で「ジム」と「ポケストップ」の両機能を楽しめないため、利用者はそれぞれの店舗が「ジム」なのか「ポケストップ」なのかを確認する必要がある。
マクドナルドも「店舗に立ち寄るきっかけにしてもらえれば」(広報)と期待を込める。
ただ、ゲームのユーザーがあまり買い物をせずに長時間店内の席を占拠したり、ゲームの利用者同士で騒いだりして、ゲームをしていない他の利用者の迷惑にならないかという懸念もある。
マクドナルドは「他のお客さまの迷惑にならないよう常識的な範囲で店員が声がけする」としているが、来店客が急増するなどした場合、対応を迫られる可能性もある。
「初日だったのでまだこれから」とマクドナルドは状況を注視する考えだが、業績回復のためには、これまでの利用者を確保しつつ、新たな層を取り込む店舗運営上の工夫も求められそうだ。
任天堂などが開発したスマートフォン用ゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の国内での配信が22日始まった。
先行配信された米国などでは利用者が爆発的に増加。
日本でも大ヒットは確実視される。
現実とゲームの世界が二重映しになる拡張現実(AR)や衛星利用測位システム(GPS)による位置情報といったスマートフォンならではの技術と、20年間親しまれてきたポケモンというキャラクターを融合したことが魅力。
「広く浅く」という課金手法も含め、スマホ向けゲームの革新といえそうだ。
世界最大のスマホゲームヒット作となる見通しだが、長期的に親しまれるかも問われる。
◇
ポケモンGOを開発した米ナイアンティックが22日公開した動画で、ジョン・ハンケ最高経営責任者(CEO)は「皆が家の外に出て、もっと歩き、新しい場所へ向かい、友達と楽しむゲームだ」と強調。
従来とは異なるゲームのあり方を追求した同社の試みが、現時点では成功している。
ポケモンGOを支える技術の一つがARだ。
2010年にベンチャー企業の頓智ドットが配信した「セカイカメラ」は実際の風景に飲食店などの情報を重ねて表示し、人気となったが、4年後にサービスを終了。
その後は、城跡でスマホのカメラをかざすと、健在だった頃の城郭の姿が浮かび上がるように観光などで活用されているARだが、本格普及は進んでいなかった。
位置情報を使ったゲームはこれまでもあったが、米グーグル出身のハンケCEOは宇宙から見た地球の姿が細部まで見える「グーグルアース」の開発に携わっただけに、その活用を一段と進めた。
これらのスマホならではの機能をフル活用したことがヒットにつながったようだ。
スマホ向けゲームは急速に普及が進み、国内市場規模は既にゲーム専用機の数倍になっているが、日本発のゲームが全世界でヒットしたことはなかった。
ポケモンGOのアプリを開発したのは米社だが、任天堂や同社が出資するポケモン(東京)も大きな役割を果たした。
スマホゲームの多くは無料で始められるが、“くじ引き”のように、ランダムでアイテム(道具)が当たる「ガチャ」で課金するのが主流だ。
しかし、これでは少数の人による多額の課金に頼ることになり、「射幸心を煽(あお)る」という批判も根強い。
ポケモンGOはアイテムを少額で販売するという方式で、こうした手法とは一線を画している。
ゲーム雑誌「ファミ通」を発行するカドカワの浜村弘一取締役は「位置情報などを使う斬新なシステムに加え、多くの人から少しずつ得るという課金手法も新しい。
スマホのゲームの潮流が変わる可能性がある」と指摘する。
ファミ通ゲーム白書によると、昨年の国内ゲームアプリ市場規模は9283億円で、米国の約1.4倍。
電車通勤が多いこともあり、日本はスマホゲーム大国だ。
位置情報を使ったゲームだけに、さまざまな店舗や観光名所との連携が考えられ、大きなトラブルが起こらなければ、米国以上に浸透し、「家の外に出るゲーム」として市民権を得る可能性が高い。
(高橋寛次)
スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」が世界的な大ブームと大騒動を巻き起こしているが、中国のゲームファンは蚊帳の外におかれている。
プレーするには米グーグルの地図情報ソフト「グーグルマップ」が必要なのだが、中国当局によるネット検閲を嫌い、グーグルが中国から撤退し利用できないためだ。
グーグルの再進出観測は根強いものの、当局に不都合なネット情報を遮断する検閲システム「グレート・ファイア・ウォール」の壁は高い。
中国のネットユーザーからは、「すぐに精巧にパクったパチモンが出る」「ポケモンGOは米日のスパイだ」といった自虐的な嘆きの声が上がっている。
「ポケモンGO」は任天堂とその関連会社、ポケモン、米ゲーム会社のナイアンティックが共同開発したものだが、主体となっているのはナイアンティックだ。
2015年にグーグルの社内ベンチャーから独立する形で設立され、任天堂とポケモンが出資しているという関係にある。
ポケモンGOは、衛星利用測位システム(GPS)を利用し、指定された場所に行き、スマホのカメラに映し出された実際の風景の中に現れたポケモンを獲得して集めるゲーム。
GPSと連動したグーグルマップを見ながらポケモンを探す。
グーグルは2010年に主力のネット検索事業について中国から撤退しており、グーグルマップのサービスも提供されていない。
撤退は、「天安門事件」といった中国政府にとって都合の悪い情報を検索結果から排除したり、改竄したりする検閲システムや、中国からのサイバー攻撃に嫌気したためだ。
ちなみに韓国でも現時点では、「ポケモンGO」のリリース予定はない。
北朝鮮と緊張関係にある韓国政府は、安全保障上の理由で、精密な国内地図データの国外持ち出しを禁止しており、海外にあるゲームのサーバーに地図データを取り込めないためだ。
ただ、南北を分断する北緯38度線より北側に位置する韓国領の束草(ソクチョ)では利用できることが判明。
ファンが殺到する騒ぎになっている。
グーグルが、地図データで38度線以北を韓国領外に設定しているためとみられている。
フェイスブックのポケモンGOの公式ホームページでは、プレー可能な国に関する質問に「中国、韓国、台湾、キューバ、イラン、ミャンマー、スーダン以外の全世界でプレーできる」と回答している。
ロイター通信によると、カギを握るナイアンティックのジョン・ハンケCEO(最高経営責任者)はインタビューに、近い将来に約200カ国でリリース(公開)したいと表明した。
同社は昨年、GPSとグーグルマップを活用した同種のゲームをリリースしており、1〜2カ月で対象国を同規模に拡大したという。
さらにハンケ氏は、韓国でのリリースについて、「解決策はある」として、「最終的にはリリースする予定だ」と述べた。
一方で、中国については、「技術的に可能だ」としながらも、「対応すべきいくつかの規制が存在する」と指摘し、リリースの可否についてはコメントを避けた。
確かに、地図情報は中国のネット検索大手、百度(バイドゥ)などのものを使わせてもらうことで「技術的」にはクリアできそうだ。
一方で、中国でゲームやアプリを販売するには当局の承認が必要で、それには厳しい“検閲”をクリアしなければならない。
ハンケ氏の言う「規制」とは、当局による承認とみられる。
ポケモンGOの中国でのリリースは、噂の絶えないグーグルの中国再進出とも密接に関係してくる。
一度は中国に愛想を尽かしたグーグルだが、巨大なネット市場から撤退したことによる逸失利益は大きい。
特に、広告ビジネスやアプリ販売で中国市場を欠くのは痛手で、再進出の機会をうかがってきた。
撤退したとはいっても、研究開発拠点や広告営業拠点は維持している。
まだ実現はしていないが、昨年には中国向けにアプリを販売する「プレイ・ストア」を立ち上げる方向で当局と水面下で交渉していることが明らかになった。
ポケモンGOのビジネスモデルは、ゲームアプリ自体は無料で、ポケモンをより簡単にゲットするためのアイテムに課金するというもの。
ただ、ポケモンを探す際に表示されるグーグルマップの地図画面上に広告を表示する計画も伝えられている。
こうした広告収入を最大化するためにも、是非とも中国でリリースしたいところだ。
中国当局が承認するかどうかにかかっているが、ポケモンGOをめぐり、交通事故や待ち伏せ強盗、不法侵入といったトラブルが多発するなか、中国人ゲーマーの“暴走”を恐れた当局が承認に尻込みする可能性は十分にある。
ポケモンGOとグーグルの中国上陸を阻む「グレート・ファイア・ウォール」は、かなり高そうだ。
中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」などには、ポケモンGOのリリース予定がないことを知らされたファンの嘆きの書き込みがあふれている。
あるファンは「中国という巨大市場を放置すべきではない」と、リリースを嘆願。
また、多くのファンは「中国のパクリ能力は高い」「すぐにパチモンが出るから大丈夫だ」と、自虐的に慰め合った。
さらに、ロイター通信や香港メディアによると、あるネットユーザーが、米日よる陰謀説を投稿し話題に。
このユーザーは「ポケモンをあちこちに配置し捕獲状況を分析すれば、一般人が立ち入れない区域が分かり、中国軍の基地の場所を把握できる」と主張している。
一方で、「政府がネット検閲を行っていることは忘れるな!」と、グーグルを撤退させた当局を揶揄する声も。
中国のファンの「ポケモンLOVE」の熱意と怒りが、グレート・ファイア・ウォールに風穴を開けることになるのか、注目される。
◇「ポケモンGO」日本配信(2016年7月22日)
世界各国で大ヒットしているスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の配信が22日、ポケモン発祥の地・日本でも始まった。
街中でポケモンを見つけ出し、捕獲するゲーム。
各国でプレーヤーが立ち入り禁止区域などに侵入し社会問題化しているが、そこまで人を熱狂させる“何か”がある?本紙記者がポケモンを探しに街に繰り出してみた。
待ちに待った日本での配信スタート。
早速インストールを開始。
アカウント作成やパスワードの設定に悪戦苦闘するも、早くプレーをしたいという気持ちが勝り、苦にならなかった。
10分後、ようやくポケモンマスターへの一歩を踏みだした。
社内を見渡すと、編集局長の背中に1匹目のポケモンを発見。
恐る恐る背後に近づき、スマホを構える。
画面に人さし指を滑らせ、モンスターボールを投げる。
しかしうまく捕らえることができない。
「早く捕まってよ!」と画面に向かって心の中で叫びながら、ようやく捕獲。
「フシギダネ、GETだぜ!」
外へ出ると、普段歩いている道の至る所に、捕獲に必要なアイテムを取得できる場所「ポケストップ」が。
近くの小学校でモンスターボールを獲得。
見慣れた景色がゲームの舞台になっており、心が弾んだ。
銀座では会社員風のイケメン男性が2人。
「やってますか!」「やってます!」と声を掛け合い、笑顔を交換した。
ポケモンが多く棲息していたのは日比谷公園。
草むらから現れる姿はリアルで、気がつくと公園を1周。
運動不足が解消されている。
ダイエットに良いかもしれない。
国会議事堂にもポケストップがあり、中へ入ろうとすると「国会内は携帯電話の電源をお切りください」と警備員に制止された。
ポケモンばかりに目が行き、非常識な行動を取ってしまった。
東京タワーで3匹捕まえ、レベルが上がったので、いよいよバトル会場の一つであるマクドナルドの店舗へ。
全国約2900店のうち、400店がバトルのできる「ジム」になっており、プレーヤーが集合していた。
41人の客のうち、なんと22人がゲーム画面を開いていた。
隣の席にいた高校生の杉原嘉武人さん(17)と菅野孝恭さん(18)は「野球部で甲子園を目指していましたが、引退と同時に今度はポケモンマスターを目指すことにしました」と笑顔。
2人に手取り足取り教えてもらい初勝利の喜びを味わった。
しかし、さらにレベルを上げようと、店を出て歩きだし、再び画面を見つめた瞬間、道路のポールに激突。
ケガをするのも時間の問題だ。
新宿区の飲食店従業員、山下広也さん(45)が「海外ではゲームに熱中した人が転んでケガをしているようだし、人に迷惑を掛けないようなルールづくりが必要では」と指摘する通り、真のポケモンマスターになるには、しっかりとマナーを守ることが必要だと感じた。
◆ポケモンGO任天堂と関連会社ポケモンなどが共同開発したスマートフォン用のゲーム。
専用アプリをダウンロードして遊ぶ。
衛星利用測位システム(GPS)の位置情報を使ってスマホに地図を表示させ、画面上に現れたキャラクター「ポケットモンスター」を捕まえる。
スマホのカメラを機能させると、実際の景色が背景となり、自宅から世界各地の名所までがゲームの舞台となる。
捕まえたポケモンを成長させたり、他のプレーヤーと対戦させたりして楽しむ。
基本プレーは無料。
各地に「ポケストップ」と呼ばれる場所が点在し、そこでポケモン捕獲に必要なポケモンボールなどを無料で入手できる。
周囲にポケモンが出やすくなるアイテム「おこう」や、ポケモンをおびき寄せるアイテム「ルアーモジュール」などは有料で手に入れる。
アイテムを買うためにはゲーム内通貨「ポケコイン」を使用。
ポケコインはアプリ内で購入する必要がある。
日本でも7月22日から配信が始まった「ポケモンGO」。
なぜ世界中でこれほどの大ヒットになったのでしょうか。
ITからゲームまで幅広く取材してきたジャーナリストの西田宗千佳さんが、その理由を解き明かします。
◇ポケモンと位置情報ゲームが見事に合体
スマートフォン用ゲーム「ポケモンGO」が世界的なブームとなりつつある。
アプリ関連の調査会社AppAnnieの調べによれば、7月6日にアメリカなどでサービスを開始して以降、サービスを展開しているすべての国で、ゲームだけでなくあらゆるスマホアプリを抑え、アプリダウンロード数・売り上げともにトップを維持し続けるという、記録的なヒットとなっている。
なぜここまでの熱狂を生み出したのか。
それは、「ポケモン」というコンテンツと「位置情報ゲーム」の相性が抜群に良かったからである。
ポケモンこと「ポケットモンスター」は、1996年に任天堂が、携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」向けに発売したゲームソフトから生まれた。
世界中にいる「ポケモン」と呼ばれるモンスターを集め、育て、対戦や交換を行うという発想が子供たちに支持され、以降、アニメにカードゲームにと、その世界を広げてきた。
登場から20年が経過し、いまや親子2世代にわたって親しまれている偉大な作品である。
子供たちは、ゲーム機を屋外に持ち出し、友人とポケモンを交換していた。
そこに登場したのが「位置情報ゲーム」だ。
携帯電話ではGPSを使えば位置がわかる。
実際の地図の上に情報を重ねると、「現実には存在しないのに、そこに行くと情報が現れる」という使い方ができる。
◇グーグルから独立のベンチャーと任天堂が手を組み
この可能性に着目したのが、2012年にグーグルの社内ベンチャーとしてスタートし、15年に独立した「ナイアンテック」である。
同社は位置情報を使い、「この世界では二つの勢力が世界制覇を争っている」という設定で、地図上に置かれた仮想の拠点を奪い合う位置情報ゲーム「Ingress」を作った。
人気が高かったIngressを下敷きに、ポケモンファンが夢にまで見た「実際の場所に行くと、そこでポケモンを捕まえることができる」要素を実現したのが「ポケモンGO」である。
ポケモンGOはあくまでナイアンテックのビジネスで、任天堂自身が作ったスマホゲームではない。
任天堂はナイアンテックからライセンス利用料を得る立場であり、自社開発・自社運営に比べると利益率は落ちる。
とはいえ、これだけ巨大なヒットとなれば、収益もそれに比例して大きなものになるのは間違いない。
一方で、「歩きスマホ」を誘発して事故が発生することや、人が集まることから犯罪に巻き込まれる、などの問題も指摘されている。
この点については、ソフトウエアの改善や適切なルールづくりが求められるところだ。
また、スマホを使わずにポケモンの場所を知らせるグッズである「ポケモンGO Plus」の販売も予定されており、同種の「ポケモンGOプレーヤー向け製品」市場を生み出す種になる可能性も高い。
「ポケモンGO」の国内配信が始まった22日、熊本地震で被災した熊本城の立ち入り禁止区域に利用者が入ろうとするなど、九州でも混乱が見られた。
熊本城総合事務所によると、22日午前11時半ごろ、天守閣北東側にある棒庵坂付近で、20代とみられる男性が「ポケモンGOをしているので入らせてほしい」と申し出た。
案内人が断ると立ち去ったという。
同事務所は任天堂に「立ち入り禁止区域をプレーエリアから外してほしい」と要請。
任天堂からは「ソフト管理会社に善処するよう指示した」と連絡を受けた。
長崎市の長崎原爆資料館では、職員が周辺でプレーを試した。
その結果、平和関連施設がアイテムを獲得できる重要スポットに設定されていることが判明。
平和祈念像周辺や爆心地公園でスマートフォンの画面を見ながら歩く姿が見られ、市の担当者は「平和を希求する場でゲームはふさわしくないのでは」と節度ある行動を求めている。
米国では原発敷地内に入った事例もあり、原子力規制委員会は21日、関連施設を運営する事業者に警備強化を呼び掛ける文書を送付。
九州電力は早速、川内原発と玄海原発の警備員に注意喚起を行った。
歩きスマホによる事故も懸念され、福岡市交通局は市営地下鉄の駅で巡回を強化する方針。
福岡県警も21日、内閣サイバーセキュリティセンター作成の注意文が閲覧できるアドレスを公式ツイッターに掲載した。
生活安全総務課の梶原浩二統括管理官は「安全にマナーを守っていただきたい」と呼び掛けている。
=2016/07/23付 西日本新聞朝刊=
任天堂などが開発し、配信された世界30カ国以上で社会現象を起こすスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」が22日、発祥の地・日本で配信された。
街では年齢、国籍問わず多くの人々がゲームを楽しむ姿が見られ、列島がフィーバーに沸いた。
「ポケモンGO」は名古屋場所中の相撲界も席巻した。
幕内大栄翔は「モンスターを6匹捕まえた」と誇った。
幕内千代鳳は「昨日、ダウンロードしようと思ったらまだだった。
いい運動になるかな」と楽しみにし、三度の飯よりゲーム好きな関脇魁聖は「帰ってやる。
明日はもしかしたら(会場に)歩いて来るかも」。
任天堂などが開発し、配信された世界30カ国以上で社会現象を起こすスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」が22日、発祥の地・日本で配信された。
街では年齢、国籍問わず多くの人々がゲームを楽しむ姿が見られ、列島がフィーバーに沸いた。
サッカー界では、東京・文京区の日本サッカー協会(JFA)、川崎F麻生グラウンドなどがポケストップに指定された。
川崎Fの大久保も「自分も子供とやってみようかな」と興味津々。
柏では湯沢が夢中のあまり、昼食の食器を片付け忘れる一幕も。
横浜の日産スタジアムでは、レアな「ピカチュウ」「ベロリンガ」が出現し、仲川ら若手がはまっていた。
スマートフォンの画面の中で、任天堂の人気ゲーム「ポケットモンスター」のモンスターを捕まえ、世界観を体感できるゲームアプリ「ポケモンGO」が22日、ついに発祥の地・日本で配信され、列島がブームに沸いた。
米国など海外では事件、事故も発生しており、日本のファンはどう楽しめばいいか。
爆発的な人気が予想される中でリスクや課題も指摘される。
ゲーム業界に精通する評論家の中川大地氏(41)が、現状と見通しを解説した。
海外では「ポケモンGO」が原因とされる事件が連日、報じられている。
「現代ゲーム全史−文明の遊戯史観から」の著者、中川氏は海外で熱狂的な人気になっている要因として「日本に比べて多彩な携帯型ゲームで遊んだ歴史が浅く、環境も未整備のため日本では考えられない事態が生じている」と分析する。
「ポケモン」は96年に任天堂の携帯ゲーム機「ゲームボーイ」のソフトとして第1弾が発売された。
以後20年、日本にはさまざまな携帯ゲーム機が登場。
通信機能を使い、ユーザー同士が現実世界の特定ポイントで交流するゲームもあった。
中川氏は「日本人は現実空間内で遊ぶゲームをいくつも経験ずみで、都市環境や規範意識も成熟している。
海外の事件を他山の石に冷静に楽しめるはず。
米国のような過激な動きは起こらないと思う」と語った。
“歩きスマホ”の深刻化や、子どもがスマホを利用した場合の危険性も指摘されるが、中川氏は、スマホと連動して振動でポケモンの発見を知らせる「ポケモンGO+」(税抜き3500円で発売予定)が危険防止になると説明。
「揺れた時だけ親が子どもにスマホを使わせる工夫で、安全管理できる」と話す。
ゲームがもたらす新しい効果も挙げた。
<1>室内でゲームを遊んでいた子どもが外に出て、新たな世界、体験と出会うきっかけになる<2>大人は通勤・通学路以外に足を向けることで街の知らない魅力を知ることができ、健康増進効果も期待<3>地方の名所でアイテムが入手できる「ポケストップ」を活用すれば、新たな客を招きやすく、地方の再編につながる。
中川氏は「『ポケモンGO』などの拡張現実(※)は、今後の社会を豊かにする新たな価値として必要だ」と強調した。
※拡張現実現実の環境に、コンピューターを用いて情報を加えることで、画面に映し出された現実の映像に、現実にはいないものを映し出したりする技術でARと呼ばれる。
◆ポケットモンスター人気ゲーム「ポケットモンスター」シリーズに登場する架空の生き物。
モンスターボールと呼ばれる道具で捕まえ対戦させることでレベルアップ。
700種類以上登場、特にネズミを模した「ピカチュウ」が人気。
<記者やってみた:村上幸将記者(42)>
スマートフォンの画面の中で、任天堂の人気ゲーム「ポケットモンスター」のモンスターを捕まえ、世界観を体感できるゲームアプリ「ポケモンGO」が22日、ついに発祥の地・日本で配信され、列島がブームに沸いた。
米国など海外では事件、事故も発生しており、日本のファンはどう楽しめばいいか。
爆発的な人気が予想される中でリスクや課題も指摘される。
「ゲームボーイ」の白黒画面で「ポケモン」を遊んだ世代にとって、スマホの画面内とはいえ現実世界にポケモンが重なって現れたのは新鮮だった。
配信に備えて、ここ数日、取材する中で海外での事件、事故を知り、歩きスマホはしないように、と思っていた。
それが、ポケモンにモンスターボールがなかなか当たらなかったり、アクセス殺到のせいか時折、ゲームの動きが固まった時に画面を凝視して、つい歩きスマホをしてしまい、背後から迫った車にクラクションを鳴らされてしまった。
会社近くの築地川公園でプレーした時、熱が入って目の前に現れた本物のハトをポケモンと間違え、思わず捕まえそうになった。
歩行中に他人に迷惑をかけられない。
現実と拡張現実の違いを意識する必要は常にある。
当たり前のことを守って楽しめばいいと思う。
●発売は2017年春を予定
2016年7月21日〜7月24日(現地時間)、アメリカ・サンディエゴのコンベンションセンターにて、エンターテイメントコンテンツの祭典、San Diego Comic-Con International 2016(通称:コミコン)が開催。
会期に合わせて、7月22日に『ソニック』シリーズ25周年記念イベント“Sonic 25th Anniversary Party”が開催。
同イベントにて、『ソニック』シリーズの最新作『Sonic Mania』が発表された。
同作は、2Dソニックによる完全新作となる。
『Sonic Mania』の対応ソフトはプレイステーション4とXbox One、PCで、発売日は2017年春となる。
日本での発売は未定だ。
イベントの詳細はおってリポートする。