PS4でなければできないゲームを届けたい SIE吉田修平氏にインタビュー
2016年9月15日(木)から9月18日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ 2016(15日・16日はビジネスデイ)。
会場で収録した、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオの吉田修平プレジデントへのインタビューをお届けする。
(聞き手:週刊ファミ通編集長 林克彦)
●インタビューは4KとHDRに関する雑談からスタート
吉田林さん、プレイステーション4 Pro(以下、PS4 Pro)の4KとHDRの映像ってご覧になりました?
林はい。
先日の2016 PlayStation Press Conference in Japanで実際に見ました。
吉田会場で見ていただいた方には伝わったと思うのですが、映像配信でご覧になった方は「4K?HDR?」となってしまって(苦笑)。
林確かに、配信では解像度も画質も下がってしまいますしね(笑)。
吉田VRの場合だと映像自体が目新しいので、配信でも十分伝えられるのですが、4KとHDRはアピールの方法が悩ましいです。
林PS4 Proのプロモーションは、4Kテレビの普及といっしょに展開したほうがいいと思いますね。
吉田私もそう思います。
家電量販店で展示されている4Kテレビの映像ソースのひとつとしてPS4 Proを使ってほしいです。
林やはりPS4 Proは4Kあってこそじゃないですか。
吉田でも、必ずしもそうではないんです。
従来のフルHDテレビでも、PS4 Proによってフレームレートが安定したりします。
もちろんタイトルによるのですが、フレームレート以外にも追加のエフェクトを入れたり、リアルタイムのシャドーを加えたりなど、映像面の恩恵が大きいです。
林なるほど。
フルHDだと余剰分のパワーを有効活用していくと。
吉田なにせGPUの性能が2倍以上になっていますから、いろいろと可能性を探ってテストを重ねているところです。
たとえば、レンダリング(映像を作る段階)の解像度を上げておいて、実際にテレビに映すときにもとの解像度に戻してやることで映像の明瞭度が変わったりします。
プレイステーション VR(以下、PS VR)のタイトルも、一部映像が綺麗になるタイトルがありますね。
私も最初はPS4 Proは4K、HDR向けのもの、と考えていたのですが、活用の幅が出てきて、これは予想していなかったことです。
林表示能力が変わることで、ゲームが遊びやすくなったりするのでしょうか?
吉田そのゲームで得られる体験そのものは変えないように、とは話しています。
林それにしても、PS4 Proはいまの時代に合った進化をしていますよね。
吉田そうですね。
PS4ではPCベースのアーキテクチャを採用すると決めた時点で、PCの進化を取り入れられるとは思っていました。
それこそスマートフォンのようにハードの更新を毎年するということではないのですが、これまでのゲーム機の世代交代よりも早い周期で性能を上げることができます。
互換性を保ちつつ、ハイエンドを求める人への選択肢として提供できるわけです。
林あくまでPS4 Proはハイエンドであると。
吉田私は、PS4 Proのユーザー層はふたつあると思っています。
まずひとつのグループは、PS4をローンチのときに買っていただいているような、グラフィクスにこだわりを持つユーザー。
買い替え、買い増しの需要ですね。
そしてもうひとつのグループは、これからPS4を買うんだけど、自宅に4Kテレビがあるというお客さんですね。
4Kテレビはあるものの、その性能を活かせるコンテンツはないか、そう考えたときにPS4 Proは打ってつけです。
私の自宅もブラビアが8年選手なのですが、さすがに4Kテレビが欲しくなりました(笑)。
●WWSのタイトル戦略について聞く
林では、そろそろ本題へ(笑)。
これからのPS4、そしてPS VRのタイトル戦略について、ワールドワイド・スタジオ(以下、WWS)ではどのようにお考えなのか、お聞かせください。
吉田まずは、現在開発中のタイトルをちゃんと発売することですね。
思ったよりも時間がかかってしまい、発売日変更などでご迷惑をお掛けしています。
林なぜ時間がかかっているのでしょうか?
吉田今年の年末や来年に向けて出てくる作品は、PS4世代タイトル、つまり最初からPS4でなければできないことをやろうと制作しているものばかりです。
もちろん、過去にもPS4専用のタイトルは存在しました。
『KILLZONE SHADOW FALL(キルゾーン シャドーフォール)』や『inFAMOUS Second Son(インファマス セカンドサン)』といった作品は、PS4のローンチや早い時期に投入すべく、ある種手堅く作られています。
林PS4の本領を発揮、というフェーズに入ったということなのですね。
吉田ローンチに合わせて発売するタイトルももちろん重要ですが、そこからある程度時間が経過したいまは、この世代でできること、PS4 Proのパフォーマンスを念頭に置いたチャレンジが必要です。
『人喰いの大鷲トリコ』は、ゲームの規模が巨大すぎて、デバッグにだいぶ時間がかかっています。
ゲーム自体はできているのですが、細かいところの調整にもう少しだけお時間をいただきます。
『New みんなのGOLF』も、基本のコンセプトはあるものの、「まだ足りない!」と、作り直しを続けています。
でも、いま作っているものについては大きな期待と自信があります。
林なるほど。
では、PS VRについてはいかがでしょうか?
吉田PS VRについては、WWSは開発当初から関わっていますから、ローンチのタイミングで多くのバリエーションを出すことができました。
ですので、つぎはそこからさらに発展させた第2弾という段階ですよね。
『サマーレッスン:宮本ひかり セブンデイズルーム(基本ゲームパック)』(以下、『サマーレッスン』)を手掛けたバンダイナムコエンターテインメントさんなどもつぎは何を出してくるのか、非常に楽しみです。
林今後のラインアップとして、PS4向けとPS VR向け、どれくらいの割合になりますか?
吉田タイトルの計画自体はありますが、具体的に何タイトルずつというような、数で考えるようなことはしていません。
PS4については、タイトル数を絞って、規模を大きくする方向ですね。
時間をかけて作ります。
かたやPS VRは、どこを掘っても金脈に当たるようなゴールドラッシュの時期です。
ワンアイデアベースで作って、なるべく早くお届けしていきます。
林VRは、ワンアイデアでどんどん出てきますよね。
吉田新しい作品が来るたび、びっくりします。
最近では、『Star Wars Battlefront Rogue One: X-Wing VR Mission』はすごくいいと思いました。
もともと『スター・ウォーズ バトルフロント』はハイエンドの作品ですし、まさに『スター・ウォーズ』の世界という感じでテンションが上がりました。
あと、『アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション』も、本当にコンサート会場にいる感じで、とてもリアルでしたね。
好きな人にはたまらないようですよ(笑)。
林編集部のスタッフも鼻息を荒くしてそう言っていました(笑)。
『サマーレッスン』の販売形態(ダウンロード専売で2980円[税込]、継続的な開発・配信を予定)もそうですが、バンダイナムコエンターテインメントさんのチャレンジはさすがですね。
吉田デモを作るまでは楽しかったけど、そこからビジネスへどう転化させるか悩んでおられたようです。
ユーザーの反響も見ながら、どのように変わっていくのか期待できますね。
林水口哲也さんが手掛けた『Rez Infinite』の“Area X”もすさまじかったです。
僕はあの20分の体験のためにPS VRを買ってもいいくらい、感激しました。
吉田あれはすごいですね、タガが外れた感じですよね。
大規模なスタジオでなくても、インパクトのあるものが作れるのがVRです。
来年にどんなものが出てくるのか、まったく想像がつかないですね。
林ただ、このVRへの熱狂は一過性のもので、来年にはブームは終わっているのではないかという声もあるようですが、そのあたりはどのようにお考えですか?
吉田それこそ初期のころから、VRはニッチですぐなくなるもの、ペリフェラル(周辺機器)は売れない、なんて言われ続けてきました。
でも、VRは“体験”することで急に変わります。
林それこそ、毎日遊びたくなるようなコンテンツを生み出せるでしょうか?
吉田それはゲームというより、ビデオのようなコンテンツでしょうね。
アメリカでは“360度ビデオ”のようなサービスがすでに始まっています。
そうしたサービスプロバイダーにPS VR対応のクライアントを作ってもらって、「PS VRなら120Hz(120fps)で快適に見られますよ」とアピールするとか、そういう方向性でしょうね。
サービス提供側と私たちでメリットが一致するので、今後増えていきそうです。
VRにはビデオサービスも大事だと思っています。
林VRで調べ物とかも可能性があると思っています。
たとえば、旅行で行くところを事前にVRで見て、候補を絞り込むとか。
吉田観光地のプロモーションツールとしてもVRは使えますね。
天候にも悩まされることなく、その場所の最高の映像を手軽に見ることができます。
あとは、ライブイベントにもVRは浸透していくと思います。
海外では、スポーツイベントや音楽コンサートの配信も始まっていて、疑似体験するという意味ではVRの臨場感は最高です。
林だいぶVR方面で盛り上がってしまいましたが、将来的にPS4 Pro専用タイトルなどは出るのでしょうか?
吉田それはないです。
PS4の基本は通常のPS4です。
PS4 Proはあくまでハイエンド版なのです。
どちらを持っていてもPS4タイトルを楽しめる、そしてゲームの体験が変わるような変更や差別化は行わない。
それは、デベロッパー各社にも伝えています。
PS4 Proが担うのは、グラフィクスのアップグレードのみです。
林さて、今年の年末から年明けにかけて、ラインアップがとんでもないのですが、ユーザーに向けてメッセージをお願いします。
吉田値段が下がった新型PS4が登場し、いまがPS4を伸ばすチャンスだと思っています。
すでに発表している『Days Gone』、『Detroit Become Human』、『Dreams』のほか、来年度以降に発売予定のタイトルも着々と進行しています。
PS4、ますますご期待いただければと思います。
「ペルソナ」シリーズは、“もう一人の自分”とされるペルソナを使ってさまざまな敵と戦うシステムと、現代社会を中心に正義と悪が混在する世界観などが人気を博しているRPG。
PS4・PS3向けの最新作「ペルソナ5」は、ある事情で“東京”の高校に転入することになった主人公が、悪しき欲望から人々を救うため、怪盗となってたくさんの人々と出会い、絆を結んでいく……というストーリー。
発売中。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントのステージにて、小島秀夫監督と新川洋司氏がユーザーからの質問に答えるユーザーズセッションが開催された。
その注目度は圧倒的! ステージ前は久々の小島監督の姿を一目見ようと、国内外問わず、溢れかえるほどの人で埋め尽くされた。
コジマプロダクションが現在制作中のPS4用ソフト「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」の映像が上映され、いよいよ小島監督とデザイナーの新川洋司氏が登場!!
MCからの「小島監督が2年ぶりに東京ゲームショウに帰ってきました!」という紹介に小島監督は満面の笑顔! 振り絞った大きな声で「ただいまー!!」と挨拶し、溢れんばかりの大歓声がそれに応えた。
ここからは事前にSNS等を通じて寄せられたコジマプロダクションへの質問に、お2人が回答するという形式で進行していった。
コジマプロダクションの立ち上げについては、小島監督は「世界中の人達が遊びたいゲームを作るため」とキッパリと回答。
「食べていくためやお金儲けのためとか、そういうのではもうないんです。
本当ならもう年ですから引退なんですけど、皆さんが僕を必要としてくれていると聞きまして」と、期待や応援の声に後押しされた気持ちを語った。
その上で、「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」については、「僕がこれまで作ってきたAAAタイトルのゲームのように、ハイエンドで、お話もあって、テーマもあって、ゲーム性もあって、ボリュームもクオリティも高い。
そういうゲームを望まれているだろうから、それを作る」と、やはりユーザーの期待に応える形に。
どんなジャンルのゲームになるのかを聞かれると、「“僕のゲーム”というニュアンスでいいかと思います。
驚きも斬新さも入れていきますので、喜んでもらえるものにしたいと思います」と、詳細は明かさないものの、意欲的な作品であることを伺わせた。
コジマプロダクションの立ち上げについて。
小島監督は「僕は経営とかビジネスをしたいわけじゃないけど……」としつつ、「ユーザーのみなさんが望むようなゲームを作るためには会社の立ち上げが必要だった」と語った。
そんなコジマプロダクションの発足当時は、レンタルオフィスを借りて、4畳半の1部屋に4人がいるという状況だったそうだ。
新川さんはテーブルもパソコンもなかったので膝の上でノートにデザインを手書きし、それをiPhoneで撮影して、それを修正してコジマプロダクションのロゴなどを仕上げたという。
打ち合わせも近くの喫茶店で行なっていたし、コピー機がないからコンビニでコピーを取っていたなどなど……当時の状況に驚きの声が挙がっていた。
ちなみに今は広い事務所に移り、機材も揃ってスタッフもどんどん増えているそうだ。
「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」のゲームエンジンについて聞かれると、市販のものではなく、某有名スタジオのエンジンに決まったという。
そのエンジンを使わせてもらいつつ、互いに技術提携して、そのエンジンをブラッシュアップしていくという協力関係だということだ。
「PS4 Proを視野に入れていますか?」という質問には、「4KとHDRに対応します」と即答しつつ、「みなさんHDRってなんのことか知ってます? HiDeo Rangeですよ!」からはじまり、「4Kもね、昔は3Kなんて言いましてね、『汚い』・『きつい』・『危険』だったんですけど、僕らの4Kはちゃいますよ。
『キレイ!』・『キレてる!』・『きまくり上がってる!』・『小島!』です!」と、小島節が炸裂!それはさておき、「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」は4K/HDRを視野に入れて開発していくということだ・
「『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』はオンラインで遊ぶゲームと聞きましたが、1人でもプレイできますか?」という質問では、1人でも遊べるとしつつ、オンラインにおいても「対戦やCo-opとはまた違う、まったく新しい使い方をしています。
他の人とプレイをするというものともちょっと……詳しく言えないです」と、やはりこれまでにない遊ばせ方を考えることを伺わせた。
キャスティング周りの質問では、「進行中」とのこと。
小島監督的には「裸のおっさんばっかり出てくるゲーム」にしたいそうだが、さすがにユーザーの気持ちを考えて、女性ヒロインも出てくるということだ。
PVに登場するキャラクターのモデルになっているノーマン・リーダス氏とは映画監督のデル・トロ氏から紹介してもらって一緒に仕事をすることになったという。
「以前、あるゲームのプロジェクトがあったけど上手く進まなくて。
もう1回一緒にやりましょうということで、ノーマンありきでこのゲームを考えました」と、ゲームファンなら「あぁ、あれね……」となるような裏事情を明かした。
今のところ裸姿のみなノーマン氏モデルのキャラクターの服装についての話では、「ノーマンの新しい魅力を引き出す」として、ゲームのキャラクターの姿は「『甲冑』、『バトルスーツ』、『宇宙服みたいなアーマー』、『革ジャン』、『パーカ−』、『スーツ』と、だいたい決まっている。
それとは全く違う“新しいヒーロー像になる”」とのことだ。
「こんなゲームのヒーロー見たことない、みたいな。
裸にロープ縛りじゃないですよ?」とオチもしっかりつけていく。
服装などのデザインの話から、新川洋司氏に2足歩行メカのデザインに関する質問も。
新川氏が「メカ、欲しいですか?」と呼びかけに会場からは大きな拍手が。
小島監督も「新ちゃんがいるのにメカいないなんてね」と促す。
やはりなんらかの新川氏デザインの2足歩行メカはゲームに登場するようだ。
気になる「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」の発売日について質問が及ぶと、2人は顔を見合わせたものの、小島監督はすぐさま「発売日は決まっています!」と宣言。
「インディーズスタジオとは言っても、無計画ではないですからね」としつつ、「5年や10年はかからないですよ。
オリンピックよりは早いですし、大友克洋さんの『AKIRA』の舞台よりも早いですね」と語った。
(「AKIRA」の世界は2019年)
「シリーズ化を検討していますか」というちょっと早めな質問では、新川氏は「『5』ぐらいまで作りたい」と気持ちを語り、小島監督も「人気が出れば作りたい」と語る。
だが、小島監督と親交のある映画監督のレフン氏からは「Hideoは新しいものを作るべき、続編はすべきでない」と言われたことがあるのだとか。
続編を作れないよう「主人公を死なせるべき」というアドバイスも頂いたそうだ。
続いての質問はなかなかアグレッシブなもの。
「現在、KONAMIが制作中の『METAL GEAR SURVIVE』」はもともと小島監督のアイデアだったという噂をネットで見ましたが、そうなんですか?」という質問に、「全然、関係ないですよ(笑)」とサクッと一蹴!これには会場も沸きに沸いて大きな拍手!
さらに「僕の中では『メタル』というのは、ポリティカル・フィクションであり、エスピオナージものなんですよ。
ね?……ゾンビなんて出るわけないじゃないですか!」とダメ押し!これには会場から大歓声がわきあがり、この日1番の盛り上がりとなった。
まだまだ話したいことのありそうな様子の小島監督と新川氏だったものの、残念ながらステージ終了の時間に。
最後に新川氏は「どれぐらい人が来てくれるか心配だったんですけど、たくさんの人が来てくれて、ありがとうございます。
これからも見たことのないゲームを作っていきます」と喜びを語る。
小島監督は「みなさんとの繋がりを今ヒシヒシと感じています。
我々はインディーズなので、僕らだけで世界と戦っても勝てませんが、世界中のみなさんと繋がって、そういうゲーム作りをしていきたいと思います。
必ずや良いものを作ってみなさんに喜んでもらえるようにします!」と力強い意欲を語り、ステージを締めくくった。
次回は、来年の9月21〜24日に幕張メッセで開催する予定。
この9〜10月はエレクトロニック・アーツの新作ラッシュが控えているが、10月28日に発売される「Titanfall 2」はFPSファンにとって特に注目の1本だ。
TGS 2016では、本作の開発を行なうRespawn EntertainmentのCOO、Dusty Welch氏と、アートディレクターのJoel Emslie氏が来日。
両氏が出演したイベントの模様とインタビューを通じて、「Titanfall 2」の特徴と魅力をお届けしよう。
2014年にマルチプレイ専用FPSとして発売された初代「Titanfall」は世界で1,000万本以上の売り上げを記録し、アクロバティックでスピーディなパイロットのアクションと、大迫力の巨大ロボット「タイタン」を駆使したバトルがゲーマーからの熱烈な支持を得た。
そして今回発売される「Titanfall 2」は、新たにシングルプレイキャンペーンを搭載するだけでなく、ゲームプレイ面でほぼ全面的な改修が施され、より奥深く迫力あるゲームに進化しているようだ。
会場で行なわれたステージイベントではWelch氏とEmslie氏の両氏が登壇し、ゲームの紹介を行なった。
そこでアートディレクターのEmslie氏は「本作の開発には日本のアニメや漫画からのたくさんのインスピレーションを得ています」と、ロボット通ぶりをアピール。
直接聞いたところでは、Emslie氏は特に士郎正宗氏の作風から大きな影響を受けているのだという。
特に本作のシングルプレイキャンペーンでは、偶発的に相棒の関係となったパイロットとタイタンの間に育まれていく友情や信頼関係を、極めてドラマチックに描くものになっているという。
マシーンであるタイタンをヒューマニズムたっぷりに描くという作風は、まさに日本的なテイストを感じるところだ。
COOのWelch氏は「驚きと、とても感動的な展開が待っています」と、シナリオの出来映えにも自信たっぷりなコメントを披露した。
本作では6種類の個性的なタイタンが新たに登場するが、その中でも日本のユーザーに向けてイチオシとしているのが巨大な剣を装備した「Ronin」だ。
Welch氏はこれについてコメントを求められたところ、「Roninに持たせる剣は普通ではいけないなと思い、他のタイタンを一瞬で切り伏せるほどの強力な武器にしました。
そしてとても素早く強烈に、単独でも戦線を突破できるような恐ろしい侍のようなロボットに仕上げました」と、非常にユニークで強力な機体であることを強調している。
本作が発売されたらぜひ真っ先に使ってみたいものだ。
トークセッションの後にはFPS伝道師のBRZRK氏を案内役に、トップゲーマー12人による6対6マッチの模様が披露された。
2チームにわかれ、敵を倒すことで得られる賞金をマップ中央近くの基地に持ち帰ることでチームスコアを得られるというモードで、スピーディな戦いが展開する。
パイロットは前作同様に二段ジャンプやウォールランを使って素早く立体機動を行えるが、今作で追加されたグラップリングフックによりさらに機動性が増している。
やがてタイタンの召喚が可能になりはじめると、パイロットの機動性を活かした戦いの本質が見えてくる。
敵タイタンの上に飛び乗ってバッテリーパックを引き抜き、手榴弾を放り込んで破壊するというアクションは前作から踏襲されているが、今作では奪ったバッテリーパックを味方のタイタンに装着して回復させる、あるいは敵パイロットが取り付くのを防ぐために味方タイタンの背中に乗って防衛するといった協力アクションが可能になっているのだ。
こういったチームプレイ要素の強化も本作における重要なポイントのひとつ。
引き続き、本作の開発を行なったWelch氏、Emslie氏へのインタビューをお伝えしよう。
■8月のテックテストを経て、システムとゲームプレイ面でさらに進化
Dusty Welch氏:Respawn EntertainmentのCOO(最高業務執行責任者)のDusty Welchです。
本作の開発では主にユーザーリサーチを通じて、前作のどういった部分をプレーヤーの皆さんが気に入ってくれていたのか、そして本作においてどのような変更を加えるべきかを考えて開発チームを手助けしていく仕事をしてきました。
特に今回、私にとって大きな仕事となったのはシングルプレイモードの開発でした。
前作ではこの部分が欠けていましたので、その必要性を開発チームに伝え、充分な品質に仕上げることに注力してきました。
Joel Emslie氏:アートディレクターのJoel Emslieです。
本作においてはアートワークのすべてをしっかり仕上げることを担当してきました。
特に、新しいデザインを導入しつつも前作との連続性を維持するところに注意を払いつつプロジェクトを進めてきました。
Dusty Welch氏:彼は控えめに話していますけれども、実際は「Titanfall 2」のアートやフィーリングの部分を全て担当していますので、プレーヤーの皆さんが本作から受ける印象はほとんどJoelの仕事なんですよ。
─── 8月にはテックテストを実施されましたが、その反応はいかがでしたか?
Dusty Welch氏:はい、いくつかの点で得るものがありました。
テックテストの主目的はローンチに向けてサーバーやバックエンドシステムの動作を確認することでしたが、全部で12個の問題を発見して改善することができました。
とても良くいったと思います。
サーバーの反応性や負荷への耐性を高めるという部分ですね。
─── ゲームプレイ部分の改善は行なわれましたか?
Joel Emslie氏:はい、テックテストを通じてゲームプレイについてのフィードバックも得ることができましたので、2週間のテスト実施中のうちに多くの改善をすることができました。
Dusty Welch氏:ユーザーの皆さんの声を聴くことはとても大事なことだと思っています。
例えば私達は内部に150人から200人のテストプレイヤーを抱えてテストを行なっているのですが、100万人単位の方がプレイする状況をシミュレートすることはできません。
ですから実際にプレイしていただくと、それまでわからなかったたくさんの点についてご指摘を受けることができます。
それを通じてタイタンメーターやウォールランなどたくさんの要素を調整してきました。
─── 10月28日の発売時にはテックテスト時点のものよりもさらに進化した「Titanfall 2」を見られるというわけですね。
Dusty Welch氏:そうですね。
もともとテックテストで公開したコンテンツは、ゲーム全体から見れば本当にごく一部でしかありません。
発売時にはさらにゲームプレイ面のリファインが行われたものをお見せできますし、マルチプレイ全体の要素をお楽しみにただけるようになります。
もちろん、シングルプレイモードもです。
Joel Emslie氏:それから、テックテストのバージョンでは最終的なオーディオの仕上げや、カスタマイズ要素など、たくさんの部分がまだ仕上がっていませんでした。
製品版ではそういった面でもさらに洗練されたものをお楽しみいただけると思います。
─── 先日発表されましたPlayStation 4 Proについてはどのような印象をお持ちですか?
Dusty Welch氏:非常にパワフルで素晴らしいプラットフォームだと思っています。
我々としても非常に関心がありますので、ゲームのローンチに向けてPS4 Proのパワーを活かすため試行錯誤をしているところです。
60fpsのスムーズなゲームプレイを保証することが第一であるため、4Kについてはまだ決定していませんが、PS4 Proでも「Titanfall 2」を完全に楽しんでいただけるよう進めているところです。
Joel Emslie氏:我々のエンジンにはアダプティブ・レゾリューションの機能があり、60fpsを確保するために自動的に解像度を調整できますので、PS4 Proでは通常のPS4よりも高い品質で描画できる可能性は高いですね。
■重厚なシングルプレイモード、全面調整されたマルチプレイモード。
DLCやイベントの計画も
─── 前作のファンにとって、「Titanfall 2」で特に期待してもらいたいのはどういった点ですか?
Dusty Welch氏:やはりシングルプレーヤーモードを搭載したことだと思います。
本作のシングルプレイモードは「Half-Life」のように奥深いストーリーとアクションを楽しめるものになっています。
ビデオゲームではなかなか体験できないような精神的なつながりを、タイタン「BT-7274」との間に育んでいくことが大きなテーマとなっています。
─── シングルプレイはストーリー重視のものになるということですね。
Dusty Welch氏:ストーリーはプレーヤーのとった行動によって変化していきます。
傭兵団に命を狙われ、追われているという状況でストーリーが進展していくわけですが、その中で特に重要な要素となっているのが、タイタンとの関係性を深めて、彼の信頼を得るためにどのような行動を取っていくか、という部分です。
そして素晴らしいエンディングが待っていますよ。
─── マルチプレイについての改善の方向性、というのはどういったものだったのでしょうか?
Dusty Welch氏:マルチプレイモードについては、全体的なバランシングを施しましした。
前作では常に怒涛のような感じで大味な部分もあったかと思いますが、本作では全体的によりスムーズで洗練された体験を得られるようになりました。
特に「Titanfall 2」のゲームプレイはより段階的に学習しやすい内容になったと思います。
そのおかげで、初心者にとっても遊びやすくなり、さらにマスターすることでより奥深く遊べるようになりました。
Joel Emslie氏:新要素としてはまず6種類のタイタンですね。
ユーザーの皆さんの声に答えて、タイタンやパイロット、武器のカスタマイズ機能もより強化しました。
前作にはなかった奥深い昇進システムですね。
タイタン、パイロット、武器なをツリー状に発展させていくことができます。
ゲームプレイに劣らず、ビジュアル的にも非常に奥深いものになっていますよ。
Dusty Welch氏:「Titanfall」ではメカと立体戦闘という全く新しいものを提供しました。
他のゲームでは全くなかったウォールランニングによる流動的なアクションもですね。
「Titanfall 2」ではそれらの要素を再統合して、より学びやすく、繰り返して遊びたくなるような、より楽しいものに仕上げました。
Joel Emslie氏:私の印象だと、「Titanfall」のゲーム性はどちらかというと一匹狼的でしたが、「Titalfall 2」はよりチームベースの内容になっています。
例としてはタイタンのバッテリーシステムですね。
敵のタイタンから奪ったバッテリーを味方のタイタンに使えるようになったことで、1機で3機の的に対抗することもできるよう、戦いの内容が変化しています。
─── 「Titanfall」では複数のDLCでゲームそのものも進化し、より充実したゲームになっていった記憶があります。
「Titanfall 2」でも継続的な追加コンテンツの配信予定はありますか?
Dusty Welch氏:はい、良いDLCを提供できるよう、チーム全体で取り組んでいるところです。
Joel Emslie氏:まさに今やっています(笑)。
「Titanfall」で良い評価を得たDLCのような取り組みを続けていきたいと考えていまして、新マップや新ゲームモードをプレーヤーの皆さんに無料で届けられることを願っています。
ローンチ後には継続的なDLCの提供と同時に、ゲーム本体の継続的な改善といった取り組みを並行して続けていく予定です。
また、週末にクールなイベントを行なうようなことも考えていますよ。
Dusty Welch氏:それから、皆さんが本作に収録されないと思っている“アルファベットのAで始まるもの”がDLCで提供されるかもしれません。
─── 最後に、日本のファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。
Joel Emslie氏:私を含むRespawn Entertainmentの多くのスタッフにとって、日本はジャイアントロボットのゴールドスタンダードです。
ですので、日本のファンの皆さんに私達のゲームやタイタンのデザインを気に入ってもらえることを本当に願っています。
Dusty Welch氏:個人的には「Titanfall GO」をやりたいですね(笑)。
それは冗談として、私達としても「Titanfall 2」を多くの皆様に楽しんでただけることを願っています。
スクリーンショット
文・取材・撮影:ライター 戸塚伎一
●良質の海外発タイトルを出展
2016年9月15日(木)から9月18日(日)まで(15日・16日はビジネスデイ)、千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ 2016(以下、TGS 2016)。
今回は、9ホールに配置されているインディーゲームコーナーにブース出展していたコーラス・ワールドワイドの出展タイトルを紹介する。
欧米を中心とした海外インディーゲームを、国内やアジア各国にむけてローカライズ・パブリッシングするコーラス・ワールドワイド。
今回は、昨年のTGSで国内初お披露目となったイギリスのデベロッパー“Dangerous Kitchen”開発のアクションゲーム『De Mambo』(対応機種:PC、Mac、プレイステーション4)の最新開発バージョンほか、過去にリリースした人気スマートフォン用タイトルの続編をプレイアブル展示していた。
今回は、従来の4人対戦モードのほか、ステージクリアー型のシングルモードを実装。
当初予定していたRPGスタイルから方針変更し、『スーパーマリオ3Dワールド』(ニンテンドー3DS/任天堂)のチャレンジモードを参考にして制作されたというこのモードは、対戦モードと同じ性能・操作法のプレイヤーキャラで、さまざまなタイプのミニゲームをひたすらクリアーしていくというもの。
最初のうちはクリアー条件も簡単だが、先に進むごとに制限時間がシビアに設定されたり、強力が敵が登場するようになる。
ステージ数などの全体の規模はとくに考えず、「バランス調整をしながら思いつく限り作っていく」(Dangerous Kitchen・ショーン氏)とのことで、最終的にものすごいボリュームになる可能性も示唆した。
1年前は「ホテルのロビーを開発スペースに使っています」と言っていた彼らに、現在の開発環境を尋ねたところ、一度オフィスを構えてやってみたが、結局ホテルのロビーに戻ったとのこと。
この理由についてショーン氏は、「静かなオフィスよりも、毎日いろんなハプニングに出くわすホテルの方がおもしろく、私たちの性に合っているみたいです」と語った。
今後もこの体制で、2016年内のリリースを目指して開発していくとのことだ。
そのほかのタイトルとしては、日本ローカライズ版も大ヒットした『脱出ゲーム:ザ・ルーム』(開発:Fireproof Studios)の続編にあたる『The Room Two』(2016年秋リリース予定)、2016年9月8日にリリースされたばかりの iOS/Android用パズルRPG『スワップクエスト』(開発:Rebusmind)が展示されていた。
また、別ブースでは、2015年リリースのアドベンチャーゲーム『バートラム・フィドルの冒険 EP1』(開発:Rumpus Animation)の続編『バートラム・フィドルの冒険EP1』(左写真)と、コーラス・ワールドワイドの初期タイトル『グリフクエスト』(開発:Alex Trowers and Leanne Bayley)のリメイク作となるパズルゲーム『グリフクエスト クロニクル』(右写真)も出展。
リリース予定はいずれも2017年初頭とのことで、前作ファンはもちろんのこと、クオリティの高いマニアックなゲームのファンは、楽しみにしていよう。
文・取材:ライター ジャイアント黒田、撮影:カメラマン 和田貴光
●『討鬼伝2』&『討鬼伝 モノノフ』の最新情報を公開!
2016年9月15日(木)から9月18日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ 2016(15日・16日はビジネスデイ)。
最終日となる9月18日(日)、コーエーテクモゲームスブースでは和風ハンティングアクション『討鬼伝2』と、新作アプリ『討鬼伝 モノノフ』の最新情報が公開された。
本イベントには、コーエーテクモゲームスの森中隆プロデューサー、中臺重人プロデューサー、関口和敏ディレクター、そしてスペシャルゲストとして、タレントの中川翔子さんが登壇。
中川さんは『討鬼伝』シリーズのファンで、最新作では金髪碧眼のモノノフ・グウェン役を務めたほか、テーマソング『十六夜の月に舞え』を歌っている。
ここからは、『討鬼伝2』&『討鬼伝 モノノフ』の最新情報を交えながら、イベントの模様をお届けしよう。
イベントが始まると、ステージには『討鬼伝2』のプロデューサー・森中隆氏とディレクター・関口和敏氏、そしてタレントの中川翔子さんが登場。
前作をやりこんだという中川さんは、『討鬼伝2』も楽しんでいるそうで、「昨日は素材などを集めているうちに寝落ちしちゃいました(苦笑)」というエピソードを披露した。
オープニングの後は、マスコットキャラクターの天狐がお題を出すという体裁で、トークコーナーがスタート。
最初のお題は、中川さんが歌った「テーマソング『十六夜の月に舞え』について」。
この曲はもともと人が歌うことを想定していなかったそうで、メロディーラインの難度が非常に高かったとのこと。
中川さんも、「テンポがとても速いので、これまで歌った曲の中でいちばん難しかったです」と明かし、「自分自身の舌をかんで“鬼千切”(“鬼”の部位を一撃で破壊する必殺技)しちゃいそうでした(笑)」と、プレイヤーならではの例えで、収録のたいへんさを語っていた。
つぎのお題では、「『討鬼伝2』の今後」について語られ、森中氏と関口氏から大型アップデート“遺跡”の情報が公開された。
遺跡は、無限に続くステージをどこまで進めるかチャレンジする、新たなやり込み要素。
シングルプレイはもちろん、マルチプレイでも挑戦でき、無限に続くステージのほかに規定のステージに挑むモードも用意されるようだ。
また、遺跡にしか登場しない“鬼”と戦えるうえ、遺跡で手に入る素材で最高クラスの専用装備が製造可能になるという。
まさに、『討鬼伝2』を遊び尽くしたプレイヤーも楽しめるコンテンツになっているのだ。
さらに今後の情報として、基本プレイ無料の『討鬼伝2 共闘版』(以下、『共闘版』)が発表された。
本作は、製品版のプレイヤーとのマルチプレイが無料(アイテム課金制)でプレイできるというもので、プレイステーション4(以下、PS4)版と、プレイステーション Vita(以下、PS Vita)版が配信される。
この発表に中川さんは、『討鬼伝 極』にかけて「太っ腹の“極み”!」と感動していた。
ファンにうれしい発表に続く中、次のお題は「“遺跡”で“鬼”討伐に挑め!」に。
ここでは、中川さんが新モードの遺跡に一足早くチャレンジ。
開発スタッフが中川さんに似せて作ったというキャラクターで、グウェン、真鶴、時継のNPCとともに、“鬼”と激闘をくり広げた。
中川さんは、素早い動きで連続攻撃を得意とする武器の双刀や、“鬼ノ手”を巧みに操作し、完全部位破壊を決めるなどして大活躍。
一撃で部位を破壊する爽快感に、「気持ちいい!」と興奮気味に話しながら、見事“鬼”を討伐した。
チャレンジ終了後、森中氏から遺跡の大型アップデートは2016年9月29日(木)、『共闘版』は2016年10月6日(木)に配信予定であること。
さらに後者は、2016年9月27日(火)に事前登録がスタートし、事前登録を行うと“宝玉”がプレゼントされることが発表された。
そのほかにも、森中氏は『討鬼伝2』と『ブレイブルー セントラルフィクション』のコラボや、今後のダウンロードコンテンツの予定なども発表。
『ブレイブルー セントラルフィクション』とのコラボで入手できるラグナのミタマは、関口氏いわく「かなり強くしちゃいました。
攻のミタマで攻撃特化になっています」とのこと。
2016年10月6日(木)から無料で配信されるので、ぜひ攻略に役立てよう。
そして、最後のお題「スマホで“鬼”討ち!」では、新たに『討鬼伝 モノノフ』(以下、『モノノフ』)のプロデューサーを務める中臺重人氏がステージに。
『モノノフ』の舞台が、過去に起こった“オオマカドキ”で孤立した北方の里“シノノメ”であること。
雪華や風花などのオリジナルキャラクターだけでなく、桜花や息吹など、『討鬼伝』で活躍したキャラクターが登場することが明かされた。
中臺氏は、「『討鬼伝』が、そのままスマホで遊べます」と本作の魅力をアピール。
続けて本作が、“鬼”を中心にキャラクターを移動したり、攻撃を行う“サークルハンティングシステム”を採用しており、“鬼”の攻撃をスワイプ操作で上下左右に回避しながら、タップや長押し、連打といった簡単操作で攻撃できることが発表された。
なお、『討鬼伝2』では11種類の武器種が実装されているが、『モノノフ』はサービス開始後に「5〜6種類の武器種を用意する」とのこと。
残りの武器種もアップデートで順次追加されていくとのことなので、安心してほしい。
また、『モノノフ』独自の要素として“鬼千切・廻(かい)”のシステムが公開された。
中臺氏によると、これは「“鬼”の全部位を破壊できる超強力な必殺技で、ほかのプレイヤーとタイミングを合わせて画面をタップすると放てる」とのこと。
“鬼千切・廻”により、誰でも気軽に“鬼”の部位を破壊する爽快感が味わえそうだ。
「スマホで“鬼”討ち!」の最後には、中川さんが『モノノフ』でゴウエンマにチャレンジする一幕も。
開発スタッフ以外で、『モノノフ』をプレイするのは中川さんが初めてということで、恐縮しながらもゴウエンマの攻撃をスワイプ操作で巧みに回避し、反撃を決めながら見事討伐した。
この『モノノフ』は、2016年9月16日(金)から事前登録がスタートしている。
登録者数に応じて報酬が豪華になるキャンペーンも実施されているので、興味のある方はぜひ登録してみよう。
イベントの最後に、森中氏は「『討鬼伝』シリーズは、これまでいろいろな展開をしてきました。
この『討鬼伝』の世界、ますます広げていきたいと思いますので、ぜひご期待ください!」と今後の抱負を語り、『討鬼伝2』&『討鬼伝 モノノフ』スペシャルステージを締めくくった。
●いちファンの中川さんが語る『討鬼伝』シリーズの魅力とは!?
イベント終了後、中川さんにインタビューを実施。
イベントを終えた感想や『討鬼伝』シリーズへの思いなどをうかがった。
――イベントお疲れ様でした! まずは、イベントの感想からお願いします。
中川翔子(以下、中川)『討鬼伝2』や『モノノフ』の実機プレイがあったので、ものすごく緊張しました。
いろいろな武器を試してみて、今回は双刀を選んだんですけど……。
――とても華麗に戦われていたと思いますよ(笑)。
中川大丈夫でしたか?『討鬼伝2』では仕込鞭などでもプレイしてみましたが、空を飛び回れる双刀が楽しくて。
もともと素早く攻撃できる、双刀のような武器が好きなんですよ。
ただ、マルチプレイになるとビビってしまうので、弓と癒(回復効果を持つ)のミタマでサポート役に徹しています。
――ひとりで遊ぶときも、弓と癒のミタマを装備したNPCの真鶴がいると、安定感が増しますよね。
中川真鶴は任務に絶対に連れていきます! 残りのメンバーは、グウェンや時継が多いですね。
あと、性格的に椿が好きなので、彼女を連れて行くこともあります。
最近、髪を切ってボブになったんですが、椿は髪型が似ているという親近感もあって。
――グウェンは声を演じているだけに、同行させたくなると思いますが、時継を選ばれるいる理由は?
中川グウェンを連れて行く理由はそうなんですが、自分の声のキャラクターといっしょに戦っているのは、本当に不思議な感じなんですよ。
私のキャラクターが気絶すると、グウェンがよく助けてくれるのですが、「お互いに意識しあって戦っているのかな」と、想像が広がっておもしろいですね。
あと、時継は山寺宏一さんの演技がとにかくおかしくて(笑)。
山寺さんに「こんなことを言わせていいんですか!」と、楽しみながらプレイしています。
――自分が演じたキャラクターといっしょに戦うなんて、なかなか体験できないと思います。
グウェン役が決まったり、テーマソングを歌うことになったときの感想を教えてください。
中川私がグウェンを演じたり、歌手デビュー10周年のタイミングでテーマソングを歌うことになるとは、夢にも思いませんでした。
前作同様、本作も続きが気になるストーリー展開なのですが、クリアーするのがもったいなくて、なかなか先に進められていません(苦笑)。
いまは安の領域や武の領域の任務を周回プレイして、カラクリの部品をコツコツと集めています。
――じっくりプレイされているんですね。
では、本作のストーリーの見どころなどを教えてください。
中川主人公たちが進む道には、ひとりだったら心が折れてしまうような、さまざまな困難が待ち受けています。
でも、出会った仲間たちが多くを語らずに支えてあってくれて。
その関係にグッときます。
「ちゃんと助けてくれる仲間がいるんだよ」っていうのは、テーマソングの『十六夜の月に舞え』の歌詞ともリンクしていて、とてもステキだなって。
――グウェンを演じた感想もお聞きしたいです。
中川「全身全霊で“鬼”を討つ!」といった、グウェンでしか言えないような、カッコいいセリフ、叫んでみたいセリフを演じられたのが、とにかく印象的で感無量でした。
それにグウェンは、口調は男の子っぽいのに、チェック柄のスカートをはいている女の子らしい一面もがあって。
そのギャップもツボでした。
グウェンと“禊”ができるのも、本作の楽しみです!
――(笑)。
ちなみに、グウェンは演じやすかったですか?
中川前作をけっこう遊んでいたので、世界観の説明などをいちから受ける必要がなかったのはよかったです。
ただ、いざグウェンを演じてみると、やはり難しくて。
とくに、グウェンが過去のエピソードをひとりで語るシーンは、なかなかうまく表現できなくて苦労しました。
一度オーケーを出していただきましたが、どうしても納得できなかったので、私からお願いして納得いくまで演じさせてもらいました。
――『討鬼伝』のファンだからこそ、こだわりも強かったのですか?
中川そうですね。
私は人生において、ゲームは必要不可欠なものだと考えています。
とくに『討鬼伝』には、無心になって夢中でプレイするうちに、元気をもらって、たいへんだった時期を乗り越えられたという感謝の気持ちがあって。
音楽に携わる面でも、ゲームがイマジネーションの糧になってくれることもあります。
『十六夜の月に舞え』は、歌うのが非常に難しい曲でしたが、いまでは歌詞を見ないで歌いこなせるようになっているので、機会があれば皆さんの前で披露したいですね。
――中川さんの生歌が聞けるのを楽しみにしています! 楽しみといえば、大型アップデートの“遺跡”や、基本プレイ無料の『共闘版』が発表され、『討鬼伝2』の今後の展開がますます楽しみになりましたね。
中川ゲームオーバーになるまで無限に戦い続けられる遺跡は、「いつまでも遊んでいいんだよ」っていう、開発スタッフさんたちの懐の深さを感じられました。
それに、『共闘版』のおかでマルチプレイに友人や知人を誘いやすくなったのもうれしいです。
『討鬼伝』は仲間のNPCが非常に優秀で、「いま攻撃してもいいですか?」と、私のほうが逆に遠慮しちゃうほど頼りになりますが(苦笑)、ほかのプレイヤーさんといっしょに遊べるマルチプレイも楽しいですから。
――スマートフォンで遊べる『モノノフ』も、ほかのプレイヤーと遊びやすいと思います。
中川スマートフォンだと、「マルチやろうぜ!」って、誘いやすいですよね。
『モノノフ』は、グラフィックがとてもきれいで驚きました。
スマートフォンということで、ゲーム性がかわるのかなと思っていたら、『討鬼伝』と同じく爽快なアクションが楽しめましたし。
まだ少ししかプレイできていませんが、“鬼”の攻撃をいかに回避するかが重要になりそうです。
――プレイできるのが楽しみですよね。
それでは最後に、ファンの方にメッセージをお願いします!
中川前作のときも、丁寧な作り込みに感動しましたが、『討鬼伝2』はそれをこえるほど、開発スタッフさんたちの愛が感じられるゲームになっています。
今回のイベントでは、ミタマの組み合わせの奥深さも改めて体験できたので、今後はミタマ集めに本腰を入れたいですね。
マルチプレイも楽しみたいと思いますので、皆さんもいっしょに楽しみましょう!
文・取材:編集部 ばしを、撮影:カメラマン 和田貴光
●ハイエンドに新機軸IP、ビッグタイトルの初RPG作など話題作が選出
2016年9月15日(木)から9月18日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ 2016(15日・16日はビジネスデイ)。
最終日となる18日、メインステージにて“日本ゲーム大賞2016(Japan Game Awards2016)”フューチャー部門授賞式が行われた。
日本ゲーム大賞のフューチャー部門は、東京ゲームショウ2016に発表、出展された未発売作品を対象に、開催期間中の9月15日から17日までの3日間で来場者投票を実施。
多くの支持を得た作品の中から、日本ゲーム大賞選考委員会の審査を経て、今後が期待される作品が選出されるというもの。
ここで、本年のフューチャー部門受賞の全10作品と受賞者のよろこびのコメントに、ユーザーを代表して行われたプレゼンターからの質問のやりとりを紹介していこう。
■『龍が如く6 命の詩。
』
セガゲームス
・受賞コメント
名越氏「この賞をいただいたのはこれで9回目くらいになりますが、毎回ドキドキしています。
今回は桐生一馬の区切りの作品になっているので、この賞はぜひとも欲しいと思っていたのですが、こうして受賞できて感謝しております」
・質問
−−今回、楽曲の提供で山下達郎さんを起用されていますが、どういった経緯で選ばれたのでしょうか。
名越氏「『龍が如く』はにはロックなどがマッチすると普通は思われますが、じつは裏側にある感動的な人間ドラマを感じ取ってもらいたいという部分がテーマになっているので、そうすると山下さんがバッチリはまるんです。
今回のシアターでも流れていますが、聞いて頂くと皆さんに納得して頂けています」
−−今作は桐生一馬の最終章と銘打たれていますが、物語のポイントなどを教えてください。
名越氏「桐生はもう48歳。
普通ならあんな激しいアクションはできない年齢ですが、そこはゲームなので多少盛っています。
シリーズ1作目の頃、この作品がシリーズ化して、遥ちゃんが大きくなって、恋愛したりお母さんになったらどうなるんだろう、なんて冗談をよく話していたんですが、そんな日を迎えることができました。
こうして続けてこられて、リアルな人間の一生を描くことができてしあわせに思っています。
人の人生は永遠には続かないので、桐生がかっこよく終われるところはどこなんだろうということは、何年か前から考えていました。
それがここだろうということで、決断をしたと解釈してください」
■『ファイナルファンタジーXV』
スクウェア・エニックス
・受賞コメント
橋本氏「ファイナルファンタジーXV」は、発表してから約10年の歳月が経ちましたが、今回の受賞は、これから発売に向けてのますますの励みになります。
皆さまの応援があってこその『FFXV』ですので、投票ありがとうございました」
・質問
ーーいよいよ発売が迫ってきましたが、いまの心境をお聞かせください。
橋本氏「いまはとにかく早く出して、ゆっくり休みたいです(笑)。
ハードの変更など、いろいろと紆余曲折がありましたが、時代の流れと我々のやりたいことが、やっと実現するのかなという思いです」
ーー日本を代表するソフトということで、皆さん期待していると思いますが、作品の仕上がりに関してはどう思われていますか。
また、発売日は大丈夫ですよね
橋本氏「世界中の皆さんやメディアの方に触っていただいて、公表をいただけているので、いまはそこからさらに磨き上げているところです。
完成度をさらに高めて、皆さまの前にお出しできたらと思っています。
発売は大丈夫です」
■『バイオハザード7 レジデント イービル』
カプコン
・受賞コメント
川田氏「今年、東京ゲームショウは20周年を迎えているそうですが、『バイオハザード』も今年20周年を迎えております。
この節目の年に、このような賞をいただき、大変感謝しております。
ありがとうございました」
・質問
−−ブースで、みんな悲鳴をあげているのが印象的でしたが、それを見てどう思いましたか。
川田氏「怖すぎるんじゃないですかとよく言われるんですが、ゲーム全般を遊んで頂ければ、エンターテインメントとして楽しめる作品に仕上がっていることがわかると思います。
皆さん手にとって遊んでください」
−−前作から内容をガラリと変えられたり、体験版の配信を行われたり、VRにも対応したりと、本当に攻めているなと思いますが、これまでと意識して変えられているところはどこになりますか。
川田氏「今回は全般的に変えています。
とくにカメラ視点が主観視点(アイソレートビュー)に変わったことで、よりダイレクトに恐怖を感じていただけると思います」
■『めがみめぐり』
カプコン
・受賞コメント
小林氏「『めがみめぐり』は、シリーズタイトルが多い中、完全新規IPとして開発しております。
いろいろな仕掛けを盛り込んだ意欲的な作品として、自信を持って作っていますので、よろしくお願いします」
・質問
−−一見するとカプコンさんらしくない作品に思えますが、このプロジェクトを起ち上げたきっかけを教えてください
小林氏「元々は、野中プロデューサーがニンテンドー3DSで、交通系ICカードを使った遊びをしたいという企画から始まったんです。
最初はツクモちゃん(『めがみめぐり』の主役)もいませんでした。
ICカードの履歴情報を使ってコミュニケーションを取ったらどうだろうといったところから、こうして発展してきました」
−−新規IPのタイトルになりますが、いちばん見て欲しいポイントはどこでしょう
小林氏「ツクモちゃんとのおしゃべりコミュニケーション。
これに尽きます。
新技術を導入していることで話題が先行していますが、中身はカプコンらしく、こだわり抜いたコミュニケーションゲームになっています。
そこの部分をぜひ見てください」
■『モンスターハンター ストーリーズ』
カプコン
・受賞コメント
辻本氏「『モンスターハンター』シリーズはこれまでアクションを続けてきましたが、『モンハン』シリーズのもうひとつの柱として起ち上げた企画が、『モンスターハンター ストーリーズ』です。
シリーズとして、はじめてRPGというジャンルに飛び込んむ作品ですが、シリーズの名に恥じないタイトルを作ろうという気持ちでここまできました。
僕たちの気持ちのこもった作品をぜひ遊んでください」
・質問
−−シリーズもので異なるジャンルを作るのは難しいと思いますが、デザイン面などで気をつかわれた部分はどこでしょうか
辻本氏「モンスターにスポットを当てた作品にしたいので、より愛着が沸くようにデザインのデフォルメもしています。
また、絆と目覚めをテーマにしていますが、そういった冒険心を絵にしたいというところもありまして、ここに至るまでいろいろなタッチを検証して、この絵柄になっています」
−−『モンハン』シリーズを遊んだことのある人、遊んだことのない人、それぞれにオススメするポイントは
辻本氏「本作はさまざまなモンスターが出てきますが、いままでシリーズを遊んできた方は、これまで培ってきた経験や知識が役立つはずです。
アクションゲームということで、『モンハン』を敬遠されていた方も、本作はRPGですので、時間をかけてレベルをあげていけば、必ずクリアーできます。
ぜひ皆さん、遊んでください」
■『Horizon Zero Dawn』
ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・受賞コメント
石立氏「じつは本作を開発しているゲリラゲームズのスタッフが、今朝日本を発ってしまいました。
ですが、飛び立つ寸前に受賞のことを伝えることができ、大変よろこんでいました。
日本の皆さんに投票していただいて、この賞を受賞できたことを誇りに思っています。
皆さまにいい作品を届けられるようにがんばりますと、メッセージをもらっています」
・質問
−−新規タイトルとして期待されていると思いますが、そのことについてどう思われていますか
石立氏「E3やGamescomにも出展させていただいたところ非常に好評で、今回のTGSでもメディアさんからの賞もいただいており、非常に期待が高まっています。
ゲリラゲームズもそのことを重く受け止めていて、新規IPに似つかわしくない完成度の作品に仕上がっていると思います。
アクションの手触りが素晴らしく、遊んでいて楽しくなる作品です」
−−ローカライズプロデューサーとして、期待して欲しいところはどこになりますか
石立氏「ローカライズチームが、『アンチャーテッド』と同じチームが担当しているんですが、リーダーがRPG大好き人間なので、そのローカライズが素晴らしいということと、敵の動きと、それをいかにして倒すかという戦略性が楽しいので、そこをじっくり味わってください」
■『仁王』
コーエーテクモゲームス
・受賞コメント
鯉沼氏「フューチャー部門ということで、2005年に発表している『仁王』がもらっていいのかという思いもありますが、いよいよ歓声の目処がつきました。
2回作り直して、3回目でようやく手応えのある作品になりましたので、ぜひ期待して待っていてください」
・質問
−−いま、バランス面での調整を行っているところだと思いますが、最終的にどれくらいの難易度で提供されるのでしょうか
鯉沼氏「α版のときには、国内では難しすぎるといった声を聞きました。
前回出したβ版の難易度でいいんじゃないかと思っていますが、もう少し気持ち良く遊ばせて欲しいと言う意見を世界中からいただいています。
いまは徐々に回答させてもらっていますが、やればやるほど遊びやすくなるように調整しているところです」
−−チームNINJAとしても新しいチャレンジですよね
鯉沼氏「最初に発表したときは、コーエーで作っていたんですが、そのあとにシブサワとチームNINJAがコーエーテクモで作り出し、私が加わってダークファンタジーの色とストーリー性をしっかりとさせていきました。
チームNINJAのセンスが活きたアクションゲームになったのではと思っています」
■『サマーレッスン 宮本ひかり セブンデイズルーム』
バンダイナムコエンターテインメント
・受賞コメント
玉置氏「このような権威ある賞をいただき、ありがとうございます。
予定が合わずにこちらにこられなかった原田(原田勝弘チーフプロデューサー)もよろこんでいました。
いま、私たちが作っているものは、VRのキャラクターコンテンツなんですが、それがこのように日本のゲーム業界の未来の選択肢のひとつとして選ばれたことをうれしく思っております」
・質問
−−今年のTGSはVRが盛り上がっていますが、その中でもVRを代表するソフトとして今回フューチャー賞を受賞されました。
ユーザーの反応あってのものだと思いますが、いかがでしょうか。
玉置氏「キャラクターが目の前にいるという体験がすごいということはわかっていたんですが、それが指示されるのか。
ユーザーの方から、あのソフトはいつ出すのか?早く遊びたい、といった声をたくさんいただけて、こういったことを覚悟を決めてやるということが、この日本のゲーム業界でありなんだなと思いました。
ユーザーの反応のお陰で、ここまでこられたのは間違いないです」
−−この先、VRを使ってやりたいことがあれば、言える範囲で教えてください。
玉置氏「現時点で、“こういったことができたらいいのに”という声をたくさんいただいていますので、その中から“これだったらできるかも”というものをピックアップしていくというものがあります。
それと、キャラクターが本当にそこにいるということがテーマなので、より強い臨場感を味わえる体験だったり、そのキャラクターと何がしたいか、期待に応えるシチュエーションを提供していきたいと思います」
■『人喰いの大鷲トリコ』
ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・受賞コメント
北尾氏「本来なら、製作チームのメンバーが立つべき場ですが、現在発売に向けて全力で開発に取り組んでいる最中ですので、代理で受け取らせていただきます。
本作は、じつは昨年もこの賞をいただいており、そのあとに延期を発表させてもらいました。
発売を楽しみにされていた人たちには本当に申し訳ないのですが、それにも関わらず、今年もこうやって投票していただいたことをうれしく思っています」
・質問
−−雰囲気がキモになっている作品だと思いますが、プロモーション展開で気をつかわれていることはありますか
北尾氏「このゲームは、いろいろと見せすぎてしまうと、それがネタバレになってしまいますので、あまり見せないということを意識しながら、でもたくさんの人に知ってもらうよう、ビジュアルイメージやロゴの形など、製作チームがこだわったものをひとつひとつ大事に、できるだけ大きく扱うといったことをやってきました」
−−北尾さんはプレイされていると思いますが、実際にプレイするとどんなゲームなんでしょう
北尾氏「本当に生き物といっしょに行動している気持ちになります。
たとえば、トリコは樽が好物なんですが、その樽が間違って顔に当たってしまったとき、ついテレビ画面に謝ってしまうといったような、動物と戯れている感覚を味わうことができます」
■『GRAVITY DAZE 2/重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択』
ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・受賞コメント
外山氏「近年でも希に見る大作が揃っている年にこのような賞をいただき、ありがとうございます。
チームメンバーも、もともとは携帯機ということで少人数から始まった少人数の職人気質の集まりですが、今回の受賞はみんなの励みになると思います」
・質問
−−ほかに比べるもののない独特の作品だと思いますが、それがPS4になったことで、ここを見て欲しいというポイントがあれば教えてください。
外山氏「主人公の動きに巻き込まれる周りの破片の挙動の説得力や、風景のリアリティ、自然な空気感など、PS4というハードの性能から受ける恩恵が大きくて、前作より格段に没入感が増していると思います。
操作のシンプルさを崩さずにできることを増やすといったことをチームで考え、結果多様なアクションが実現できているので、そのあたりも期待していてください」
−−開発は順調に進んでいますか。
外山氏「規模が大きくて大変ではありますが、順調に進んでいます」
10作品の日本ゲーム大賞2016 フューチャー部門の授賞式が終わったところで、日本ゲーム大賞選考委員の浜村弘一氏より、講評が行われた。
浜村氏「率直な感想をいうと、ハイエンドがようやく来たなということを強く感じました。
見てもらえればわかりますが、10作品中8作がハイエンド系のゲームになっています。
海外ではハイエンドゲームが記録的なスピードで普及していますが、日本はどうしても携帯ゲームが中心になっていて、そんななかでこれだけハイエンドのゲームが揃ったというのは、注目に値することだと思います。
この年末年始は、人気作のナンバリングタイトルや、構想10年以上という作品がずらっと揃います。
惑星直列という言葉がありますが、まさにそんな感じでビッグタイトルがずらっと並ぶ。
恐らく強烈な引力が発生することでしょう。
この引力によって、ゲームがもう一回大きく伸びるのではないかと思っています。
また、携帯ゲーム機でもまったく新しい機軸のICカードを使うものや、ビッグIPのRPG作品などもあって、年末年始もおもしろいゲームが市場を引っ張ってくれるのではないかと、期待しています」