任天堂、再びゲーム業界の覇権狙う ゲームアプリとスイッチで反転攻勢へ
ゲーム機の販売不振に苦しんできた任天堂が、新たな成長へ反転攻勢に出る。
12月に同社初となるスマートフォン用ゲームアプリ「スーパーマリオラン」の配信を予定し、来年3月には新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」を発売する。
新商品・サービスの相次ぐ投入で、再びゲーム業界の覇権を握る構えだ。
(大島直之)
26日に大阪市内で開いた中間連結決算の記者会見で、君島達己社長はニンテンドースイッチについて「従来の後継機ではない。
皆さんに新しいと感じてもらえる」と自信を見せた。
任天堂の業績は依然厳しく、平成29年3月期連結決算の業績予想の営業利益を下方修正した。
しかし28年度下期(10月〜29年3月)への期待は大きい。
目玉となるのがスマホ事業と新型ゲーム機の投入だ。
関連会社「ポケモン」などが参画して7月に世界で配信が始まったスマホ用ゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の人気を受け、君島社長は「スマホ事業も新たな柱にしたい。
ゲーム人口の拡大にも意味がある」と話す。
ポケモンGOで捕まえるポケモンの出現を光や振動で知らせる腕時計型機器「ポケモンGOプラス」は品薄が続き、既存ゲームのポケモン関連ソフトが売れる相乗効果も表れた。
一方で君島社長は「(事業の)メインはハードとソフト一体型のビジネス」と、ゲーム機を中心とするビジネスモデルに力点を置く。
ニンテンドースイッチは据え置き型と携帯型の機能を兼ね備えるが、同社は既存のゲーム機とすみ分けができるとみている。
ゲーム業界では高性能ゲーム機や仮想現実(VR)端末を発売するメーカーが相次いでいるが、任天堂は独自性の高いハードウエアやサービスを展開して流れを引き寄せたい考えだ。