ハロウィンが日経平均にも影響を与えた?

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人工知能の技術を使ったビッグデータ分析サービス「EIセンチメント」を活用し、日経平均株価の変動に影響を与えた市場心理を探る「EIセンチメント + ZUU online サーベイ」。
今週のキーワードトップ10を紹介する。

EIセンチメントは、エコノミックインデックスが独自のビッグデータ分析サービスとして提供するもので、日経平均のように日々変動する数値指標に対して、あらかじめ指定したキーワードが同一期間にTwitter上で出現した回数との相関を解析し、数値指標の変動要因を明らかにする。

それではトップ10キーワードと影響力を見てみよう。
同社が算出したデータをもとに、ZUU online編集部で「なぜそのキーワードの影響力が高かったのか」を検証してみた。

■「ハロウィン」祭りの後に上昇基調を維持するヒントは“働き方改革”のスピードアップ?
順位キーワード影響力出現回数
1ハロウィン32.98195,068
2バブル14.285,685
3出資12.371,141
4決算9.293,302
5労働7.6919,376
6受験7.6720,823
7就活6.338,307
8就職5.928,665
9大統領選5.532,855
10衆院選4.741,019
(データ提供=エコノミックインデックス)
今週の日経平均は、円安・金利高を受けて先週から続く上昇基調を維持した。

先週と異なり前日から上げて終わった28日(金)には6件のキーワードが高スコアとなり、週間累計でトップの「ハロウィン」が日別でもトップスコアを獲得する“花金”となった。

その「ハロウィン」は、10月末のイベント当日に向けて小売・外食を中心に各所でキャンペーンが展開されているが、今夏話題になった位置情報ゲーム“ポケモンGO”のハロウィンイベントがはじまったことで、昨年を上回るほど話題になっているようだ。

「出資」については企業関連のニュースだけでなく、邦画の製作委員会方式といったコンテンツ制作分野やクラウドファンディングなど、資金調達に関する最近のトレンドを受けた多様な話題が広がっている。

「決算」はそのまま各社の9月期決算の発表に関する報道が中心だが、前述の“ポケモンGO”が任天堂の中間決算発表の中で投資利益として計上された話題も見られた。

「労働」は引続き“過重労働”に関する話題が中心だが、総理の私的諮問機関・教育再生実行会議で“部活を担任する教師の長時間労働”が議論されたニュースが拡散した。

「就職」はもう一つのキーワード「就活」から、文字列“就職”を除外しているため異なる文脈をカウントしているが、“面接の際に受けた就職差別”というつぶやきを筆頭に、“シャープ退職者の再就職”や“学生の自殺理由に就職失敗”といった複数のニュースがそれぞれ拡散した。

「就活」は前述の「労働」の文脈を受けた“過労死せずに済む会社の選び方”というニュースが話題となったが、“新卒一括採用の見直し”という就活戦線のトレンド変化を受けた混乱も見られた。

24日(月)にスコアを取った「大統領選」は選挙戦の推移に関するものよりも、テレビ局の“大統領選特番”の告知で、“アイドル・キャスターがメインMC”になるニュースが大きな話題を呼んだ点は苦笑ものだろう。

25日(水)の「受験」は来春に向けた追込みの話題と共に、前述の過重労働問題に絡めて“過労自殺した女性が東大を経て得たもの”といった議論もある中、“韓流アイドルが兵役関連で受験”というニュースも拡散した。

26日(木)の「衆院選」は解散総選挙に向けた各政党の準備状況などに加え、総務省による“議員定数削減対象”の公表、“自民党の総裁任期延長”といったニュースへの反応が現れた。

27日(木)は今週唯一、日経平均が下げた日となったが、週間累計で「ハロウィン」に続く2位となった「バブル」が高スコアを獲得。
中国や韓国、東京の不動産バブルといったニュースと共に、やはり前述の過重労働の歴史としてバブル期の“24時間働けますか”というキャッチコピーを揶揄するような話題も見られた。

今週の結果を読み解いて感じたことは、昭和のバブルが生み出した消費トレンドがクリスマス+スキー+ラグジュアリー・カーという組み合わせだったとすると、平成のバブルはハロウィン+コスプレ+スマホゲームということだろうか。

過重労働対策や新卒一括採用の見直しといった“働き方改革”が成長戦略の課題なのだとしたら、私たち一人ひとりの心構えや行動で変えられることは少なからずあるだろう。
(ZUU online編集部)

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