トランプ・リスクの再燃で541円下落した週
10月31日の日経平均は反落。
前週末28日のNYダウは8.49ドル安だった。
7月に「おとがめなし」にしたはずのFBIが民主党クリントン候補の私用メール問題の捜査を再開すると報じられ、投資家心理が悪化し下落。
トランプ陣営の最終兵器か?経済指標はアメリカの7〜9月期GDPは年率換算で+2.9%で、市場予測の+2.6%を上回ったが、10月のミシガン大学消費者態度指数確報値は市場予測も前月値も下回った。
企業決算は同じ石油大手でもエクソンモービルは減収減益、シェブロンは黒字転換とまちまち。
EPSが市場予測を下回ったアマゾンは安く、GEによるベーカー・ヒューズ買収の話は双方とも株価が上昇した。
CME先物清算値は17405円、大阪先物夜間取引終値は17390円。
NAFTA(北米自由貿易協定)加盟国のカナダとEUが自由貿易協定に調印したがOPECの減産協議は進まず、31日朝方の為替レートは前週末よりも円高が進行しドル円が104円台半ば、ユーロ円が114円台後半。
日経平均始値は85円安の17360円。
高値は2時37分の17433円。
安値は10時22分の17327円。
終値は21円安の17425円。
取引開始前に、10月28日に発表されなかった政府の9月の経済指標の残り分の発表。
鉱工業生産指数速報値は97.8で横ばい。
市場予測の+1.0%より悪いが、10月予測は+1.1%、11月予測は+2.1%で回復に期待。
商業動態統計速報の小売業販売額は-1.9%で既存店ベースは-3.2%と悪い。
台風という迷惑千万なお客さまばかりご来店した。
「11月8日はクリントン氏当選鉄板」と思いきや、忘れたはずのメール問題が再燃しトランプ氏の支持率が回復。
ハロウィーンにトランプ・リスクという魔物がよみがえり、「Trick or Treat?(何かくれないと、いたずらするぞ)」。
為替が円高に振れたため日経平均始値は85円安の17360円で反落スタート。
TOPIXもマイナス。
それでも序盤は始値を「寄り安」に上昇し17400円台を一時回復する。
ドル円は東京時間になると円安方向に振れる。
日銀はこの日から金融政策決定会合開催。
2年前の10月31日は1日だけ開かれ、意表を突いて黒田バズーカ第2弾が飛び出し「突然の贈り物」の効果が地球を周回したが、今回は2日間で11月1日まで。
政府観光庁が10月30日に訪日外国人客が初めて年間2000万人を突破したと発表したが、「爆買い」が終焉しては「あ、そう」でおしまい。
日経平均は10時前に17370円付近まで下落し、9時台は見事に「いってこい」する。
10時台は為替も円高方向に急反転し、日経平均は安値更新。
日本郵船 、商船三井 、川崎汽船 の海運大手3社の社長が11時から記者会見をするという報道。
期待感で揃って株価が上昇するが、中身は定期コンテナ船事業の統合に向けた新会社を設立する話。
独占禁止法に抵触しないよう気をつけるという。
日経平均は前場の残り時間は17300円台は保ったが17400円には届かず、前引けは76円安の17369円。
TOPIXも-4.39で午後の日銀のETF買いのライセンスはゲットした。
正午発表の9月の建設機械出荷額は5%減で14ヵ月連続減。
アジアの建設需要の低迷は「チャイナ・ショック」前から1年以上続く。
後場は前引け比でやや高く再開。
0時台は17400円台に乗せていたが、1時を回ると17300円台後半に後退。
1時に9月の自動車生産・輸出実績が発表された。
生産は1.44%増の84万891台で2ヵ月連続増、輸出は3.8%増の43万5028台で2ヵ月連続増と、両方プラス。
それでも1時台後半には17400円台を回復しさらに上昇。
為替レートは後場ずっと104円台後半で推移する。
2時に9月の住宅着工戸数が発表された。
10.0%増の2ケタ増で3ヵ月連続増加。
持ち家も貸家も分譲もみなプラスだった。
それに刺激されたのか2時台は高値追い。
日銀買いの思惑に月末の「ドレッシング買い」の気配も漂う。
しかし17430円付近で頭を抑えられ、プラス圏浮上にはもうひと押し足りない。
終盤には瞬間的に17400円割れも喫して結局、前週末の終値を上回れず21円安で終了した。
やはりドレッシングはサラダにかけるもの。
TOPIXがプラスで終わったのは、日銀が707億円のETF買い入れを実施したためか。
日経平均終値は21.39円安の17425.02円、TOPIX終値は+0.61の1393.02。
売買高は22億株、売買代金は2兆3298億円で揃って大台を回復する吉兆。
値上がり銘柄数は866、値下がり銘柄数は981。
プラスは14業種で、その上位は海運、金属製品、保険、空運、電気機器、証券など。
マイナスは19業種で、その下位はゴム製品、鉱業、医薬品、ガラス・土石、倉庫、小売など。
上海総合指数は0.12%安で4営業日続落だった。
10月の取引が終了し、9月30日の終値16449.84円から975.18円上昇し、9月の437円安の「倍返し」。
今年の下半期は7、8月は上昇、9月は下落、10月は上昇している。
11月1日の日経平均は小幅反発。
9月のユーロ圏のCPIは+0.5%で2年4ヵ月ぶりの伸びだったが、7〜9月期GDPは+0.3%で前四半期と同じ。
ヨーロッパ市場は下落。
週明け31日のNYダウは18ドル安で3営業日続落。
大統領選挙の行方が不透明になり、OPECの減産期待がしぼんで原油先物価格が46ドル台まで下落したが、ダウは小幅安ですんだ。
NASDAQ、S&P500も小幅マイナス。
アメリカの個人所得は+0.3%で市場予測を下回り、個人支出は+0.5%で市場予測を上回った。
シカゴ連銀購買担当者景気指数(PMI)は5ヵ月ぶりの低水準。
50は超えた市場予測よりも下。
ダラス連銀製造業景気指数は改善。
個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比+1.2%で2014年11月以来の伸び。
GEによるベーカーヒューズの経営統合が正式に発表された。
朝方の為替レートはドル円が104円台後半、ユーロ円が115円台前半。
CME先物清算値は17395円。
大阪夜間取引終値は17390円。
日経平均始値は44円安の17380円。
高値は0時33分の17473円。
安値は9時51分の17339円。
終値は17円高の17442円。
小幅安で始まるが序盤は17400円にも接近し意外にしっかり。
しかし時間の経過につれて下げていき17350円をしばしば割り込む。
10時、中国の国家統計局からPMIの発表。
製造業PMIは51.2で前月比+0.8ポイント。
市場予測の50.3を大きく上回り、2014年7月以来2年3ヵ月ぶりの高水準。
節目の50を3ヵ月連続で上回った。
非製造業PMIは54.0で前月比+0.3ポイント。
東京市場はしばらく様子見で上海市場のスタートを待ったが、上海がプラスで始まると水準を上げ10時台後半には17400円台に乗せる。
45分遅れで発表された財新・マークイットの中国製造業PMIも51.2で、国家統計局のPMIと同じ数値だった。
ということで経済指標が予想より良く中国リスク懸念は無事通過。
しかし日経平均は下げ幅を圧縮してもプラスに届かず、11時台には逆に17400円を割る場面もあったが、前引けでは乗せて終了。
TOPIXともどもマイナスで、日銀のETF買いの可能性が生まれた。
正午すぎ、日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、大方の予想通りに金融政策現状維持。
後場は日銀のETF買い観測に為替の円安進行もあってプラスに転換し高く始まるが、0時台のうちにマイナスに下落。
後場は前日終値17425円をはさんでプラスとマイナスの間を行ったり来たり。
2時に発表された10月の新車販売台数は登録車が0.8%増でも軽自動車販売台数は2.4%減と悪く、トータル0.4%減。
日経平均は2時台に17400円を割り込む場面もあったが、最後は小幅プラスで終了。
10月31日に続いて2日連続で日銀は707億円のETF買いを実施した。
新規IPOが2件。
女性向けファッションの企画・販売を行う製造小売業(SPA)のバロックジャパンリミテッド が東証1部に直接、新規上場。
公開価格2000円より5%安い1900円の初値がついた。
公開価格が仮条件の下限で、資金吸収金額が300億円以上もあり、初値の実績が良くない東証1部直接上場で、おまけにイメージの良さとは裏腹に倒産が多いアパレル業界と悪条件が揃って黒星。
終値はさらに下げて1710円。
岐阜市が本社で造園緑化工事の設計・施工・メンテナンスなどを行っている岐阜造園 が名証2部に新規上場。
公開価格1150円より3.56%高い1191円の初値がついた。
事実上、造園・緑化の専門工事業で初の上場はなんとか白星。
11月の新規IPOは1勝1敗で始まった。
次回は18日で、間があく。
日経平均終値は17.38円高の17442.40円、TOPIX終値は-0.17の1393.19。
売買高は19億株、売買代金は2兆1094億円。
値上がり銘柄数は916、値下がり銘柄数は911で拮抗。
プラスは19業種で、その上位は電気・ガス、空運、不動産、保険、金属製品、精密機器など。
マイナスは14業種で、その下位は前日の反動が出た海運、石油・石炭、鉱業、電気機器、化学工業、繊維など。
経済指標が良かった上海総合指数は0.70%高だった。