これがAM2研の本気か!初音ミクシーンのジュークボックスを目指した『Project DIVA Future Tone』が圧倒的過ぎる
セガゲームスは、配信中のPS4ダウンロードソフト『初音ミク Project DIVA Future Tone』のコンセプトや特徴を明かしました。
本作は、全国のアミューズメント施設で好評稼働中のアーケードタイトル『初音ミク Project DIVA Arcade Future Tone』をベースに、PS4向けとして最適化したリズムアクションゲームです。
『Project DIVA』シリーズの最新作となる本作は、アーケード版やシリーズ作が持つ魅力を引き継いだ上に、新たなパワーアップも施されています。
また、無料の本体アプリケーション『Prelude』と追加コンテンツ『Future Sound』『Colorful Tone』(それぞれ有料)という、ユニークな製品構成もひとつのポイントと言えるでしょう。
特徴的な本作の構成やゲーム性、また新たな試みなどを、配信直後となるこのタイミングに合わせて紹介させていただきます。
ダウンロードや有料コンテンツ購入の判断材料としてチェックしてみてください。
◆PS4ダウンロードソフト『初音ミク Project DIVA Future Tone』とは
アーケード版をベースとし、多彩な要素や進化を加えて登場する『初音ミク Project DIVA Future Tone』。
その土台となるのは、無料で楽しめる『Prelude』です。
こちらだけでも2曲のリズムゲームがプレイできるほか、モジュール・カスタマイズアイテムなども収録。
後ほど詳しく紹介しますが、モジュールやカスタマイズアイテムの変更、PV鑑賞といったゲームの基本的な要素を味わえます。
トロフィー獲得やオンラインランキングにも対応してる点も嬉しいポイントです。
『Prelude』には、「Weekender Girl」(Music by 八王子P Lyrics by kz)と「1/6 -out of the gravity-」(Music & Lyrics by ぼーかりおどP(noa))を収録。
そして、数多くの楽曲とモジュール(コスチューム)が追加される有料コンテンツが2つ用意されます。
そのひとつ『Future Sound』には、これまでPS3やPS Vita、PSPで展開されてきた『初音ミク -Project DIVA-』『初音ミク -Project DIVA- F』シリーズの楽曲を中心に、120曲以上を収録。
また、もうひとつの『Colorful Tone』には、3DSで展開した『Project mirai』シリーズや、アーケード版『初音ミク Project DIVA Arcade』シリーズの楽曲を中心に、約100曲が収録されています。
なお『Future Sound』と『Colorful Tone』の価格は、それぞれ3,900円(税抜)です。
本作には「『Arcade』の永久保存版であるべきだ」といったコンセプトがあり、アーケード版が誇る価値を収録するという目的が掲げられていました。
『Prelude』『Future Sound』『Colorful Tone』のフルセットで220曲を超える膨大な楽曲も、このコンセプトを目指した結果のひとつです。
このこだわりはグラフィックにも及んでおり、アーケード版の画質は720pですが、本作は1080pを達成。
アーケード版を超える美しさを実現しました。
また描画も60フレームとなっており、1080pかつ60フレームでの描画はシリーズ初。
「永久保存版」の名に恥じない一作と言えるでしょう。
◆本作の特徴──ボリュームやカスタマイズ性など
■ボリューム
合計した収録楽曲は、前述の通り220曲以上を用意。
しかも難易度は、「EASY」「NORMAL」「HARD」「EXTREME」「EXTRA EXTREME」の5種類が用意されており、全楽曲を難易度別に一通り遊ぶだけでも数十時間かかるほどです(一部楽曲には難易度「EASY」「NORMAL」「EXTRA」「EXTREME」がありません)。
またモジュールに関しては、340種類以上に及ぶとのこと。
カスタマイズ性に関しても、遊び甲斐に満ちています。
■カスタマイズ
『Future Sound』『Colorful Tone』両パック購入特典となりますが、本作では「髪型」のカスタマイズが可能です。
これまでコスチュームと髪型は固定でしたが、この特典があれば、同一キャラであれば好きな髪型とコスチュームを組み合わせることができます(一部、髪型の変更ができないモジュールもあります)。
この髪型カスタマイズを導入した背景には、『Project mirai 2』の「服だけチェンジ」システムがユーザーに好評だったため、シリーズ初となるこの要素を導入しようと決めたそうです。
ちなみに中には、最大6人が登場する楽曲もありますが、アーケード版では4人曲、6人曲は「1人曲扱い」でボーカルしかカスタマイズできませんでした。
しかし本作では、登場する全員、最大6人をカスタマイズできます。
曲に合わせてそれぞれイメージするもよし、統一感を持たせるもよし、ユーザーの好みがより反映される遊び方ができます。
なおカスタマイズで設定する項目は、楽曲ごとに反映するか、すべての楽曲に同じ設定を反映するかが選択できます。
■キーコンフィグ
PS4で発売するにあたり、初めて遊ぶ人も多いことを想定し、遊びやすさの追求も行われています。
そのひとつが、『DIVA』シリーズ初となるキーコンフィグです。
リズムゲーム時のメロディアイコン/スライドアイコンの操作に使うボタン設定を任意に変更でき、方向キー、△、□、×、○はもちろん、L1、L2、R1、R2への設定も可能。
直感的にプレイしやすい配置に変更してプレイに臨みましょう。
また、アーケード版は同時押しが特殊なため、その対応としてメロディアイコンの同時押しも1個のボタンに設定可能。
2つの組み合わせだけでなく、3つ、4つ押しもチョイスできるので、苦手な同時押しがある方はキーコンフィグで設定し、慣れてきたら自力で挑戦してみるのもひとつの手です。
さらに設定可能な機能として、メロディアイコン表示の切り替えも。
リズムゲーム中のメロディアイコン表示を、5つのパターンから選択できます。
アーケード版と同じ△、□、×、○表示はもちろん、方向キーをイメージさせる矢印型の表示もあり、こちらもプレイしやすい形で楽しみましょう。
加えて、メロディアイコン同時押し操作のサポート機能も実装。
難易度・設定内容によっては適用されませんが、メロディアイコンの同時押し操作で、指定された方向キー・ボタンを表示する「ボタン補助表示」を設定できます。
そしてもうひとつ、メロディアイコンの同時押し操作時に押したボタンの数が合っていれば、ライフゲージが減らない「判定サポート機能」も用意。
初めて遊ぶ方にとって頼りになる機能となりそうです。
◆本作の特徴──ゲーム内要素
■プラクティスの導入
シリーズ初の機能として、リズムゲーム部分の練習ができる「プラクティス」を搭載。
楽曲セレクターで「プラクティス スタート」を選ぶと]プレイすることができます。
音ゲーでありがちな「ここだけ詰まるんだよね」という部分を繰り返して練習できるため、クリアや上達を目指す方にうってつけの機能です。
このプラクティスは、「開始時間設定」でスタートのポイントを決定。
楽曲の練習開始位置を自由に設定することができます。
しかも、プレイ中でも練習開始位置の調整が可能。
上達した部分を飛ばして設定し直すといった活用もお勧めです。
リスタートが1ボタンで行えるのも嬉しいポイントです。
■サバイバルコース
こちらも『Future Sound』『Colorful Tone』両パック購入特典となりますが、コースごとに指定された複数の楽曲を、1本のライフゲージで連続クリアをめざすリズムゲームが楽しめます。
楽曲セレクター画面でL2・R2を長押しすることで、このコースを楽しむことができます。
このコースでは、複数曲に渡ってコンボ数が継続するのも特徴のひとつ。
コンボ数に応じて点数計算も変わってくるので、熟練者にとっても緊張感溢れるプレイになることでしょう。
こちらもオンラインランキング対応しているので、熾烈な争いが繰り広げられること間違いありません。
なおオンラインランキングは、全曲のハイスコアやサバイバルだけでなく、全楽曲平均達成率も対象になる模様。
また順位の上限は、3939位まで。
初音ミクを彷彿とさせるこの数字に食い込めるよう、精進してみてください。
■PV鑑賞
楽曲PVをじっくりと楽しめる「PV鑑賞」では、歌詞表示の切り替えが可能。
プレイ中はなかなかゆっくり拝めない映像の数々をたっぷり堪能することができます。
またPS4のSHARE機能とは別に、PV鑑賞モード専用の撮影機能を搭載。
鑑賞中に△ボタンで撮影が可能です。
この時撮影した画像は、ロード画面の背景に表示することも。
アーケード版と違い、本作ではPV鑑賞中の一時停止が可能。
気に入ったらその映像を撮る、といった使い方もできます。
また本機能で撮影した画像は、PS4のキャプチャーギャラリーで閲覧可能。
もちろんTwitterなどのSNSに投稿することもできるので、お気に入りを多くの方にお披露目してみるのも一興です。
◆インタビュー
──PS4で本作をリリースしようと思ったきっかけを教えてください。
大崎:アーケード版(の稼働日)は、奇しくも(本作の)発売日と同日となる、2010年6月23日なんです。
「Project DIVA Arcade」モデルのミクさんは、この6年間でライブに出ていたり、海外でも認識されるまで成長しました。
ちょっとネガティブに聞こえるかもしれませんが、一般論としてアーケードゲームはいつかなくなるんです。
だから、コンセプトとして「永久保存版」を掲げた通り、アーケード版を残したいという気持ちがあったんです。
アーケード版を作ったきっかけは、初音ミクシーンのジュークボックスになればいいなと思って。
アーケード版もいつかなくなりますが、PS4版はアーケード版よりも(ユーザーの手元に)長く残るでしょうから。
PS4なら(先を見据えて)何台か買っておくこともできますが、筐体はそうはいきませんしね(笑)。
──特にこだわられた点はどこですか?
大崎:今回、『Prelude』『Future Sound』『Colorful Tone』の3つ合わせると、容量が25GBくらいになります。
昔だったら、こんなサイズのダウンロードは許されなかったでしょう。
でも今なら、これくらいのサイズはよくある話ですよね。
やるからにはしっかりとしたボリュームで収録したかったし、一番綺麗なグラフィックにしたかったので。
あと地味な点なんですが、セレクターの描き直しなども行いました。
パッと見だとアーケード版と似てますが(笑)。
僕は洋ゲーマニアなんですが、洋ゲーマニアはゲームが始まる前の2Dにうるさいんです(笑)。
豊田:セレクターもそうですし、リズムゲーム中の画面も含めて全て作り直しています。
同じものをそのまま使って、というのは一切無いです。
完全に新作作ってるのと一緒ですね(笑)。
大崎:デザイナーは悶絶してましたけど、結果としていいものができました。
ゲームを遊ぶ上で繰り返し触れる部分は特に力を入れました。
豊田:あとは操作性ですかね。
操作方法ももちろんですが、ボタンを押した時のリアクションやタイミングはかなりこだわっています。
開発初期から「配置どうするの?」という話は出ていましたし、配置が決まった後も触ってみて直しての繰り返し。
実際ケリがついたのは今年の3月くらいでしたね。
遅延対策も入れてあるので、アーケード版ユーザーが遊んでも違和感がないと思います。
大崎:プレイする上で、押した時に「なんかズレてない?」というのが一番イヤなので。
──追加楽曲などに関しては、DLCという形での追加となるのでしょうか?
豊田:そうですね。
アーケード版の方で楽曲が追加されていくので、DLCでの追加になると思います。
大崎:ちなみに本作には、「アゲアゲアゲイン」からの楽曲はまだ収録されていません。
本作を出したからアーケード版は終わりというわけではなく追加はあるので、(本作に関しても)何回かに分けてDLCで追加していく形になると思います。
モジュールとかまだまだありますし、鋭意作業中です。
──『Prelude』に収録される2曲に関してですが、「Weekender Girl」と「1/6 -out of the gravity-」を選ばれた理由を教えてください。
大崎:(『Prelude』は無料なので)楽曲を収録するのは本来難しいんです。
ですが、八王子Pさんとkzさん、ぼーかりおどPさんが、今回の趣旨に賛同してくれたからこそ実現できました。
また「Weekender Girl」は「ODDS&ENDS」と並ぶ「Project DIVA f/F」の書きおろし楽曲ですし、「1/6 -out of the gravity-」は『Project mirai 2』に収録されているうえに、ライブでもよく使わせてもらっています(笑)。
そういった個人的な思い入れもありますし、みんなが知っている曲という点も重視して選びました。
──まず『Prelude』があり、そして追加コンテンツが2つあるという構成になった理由はなぜでしょうか。
豊田:追加コンテンツが2つになった理由ですが、これは我々の中で意見が分かれたところでして(笑)。
家庭用の楽曲をまとめた『Future Sound』に関しては、我々AM2研で手がけてきた『ドリーミーシアター』というタイトルで出た楽曲がほぼ含まれています。
なので、買い直すことになるお客様にとっては抵抗があるのは確かだと思うので、これまでに出た楽曲を集めた『Future Sound』と、据え置きのハードでは新曲に近い感覚になるだろうという曲を集めた『Colorful Tone』に分けたのが理由のひとつです。
あと本作の開発を始める前に、アーケード版ユーザーを対象にアンケートを取ったんです。
で、回答者に若い世代が多かったんです。
10代や20代の方ですね。
だとすると、ひと月のお小遣いは決まっているだろうから、2つに分けて価格を安くしたいなとも思ったんです。
『Future Sound』と『Colorful Tone』を合わせて買うと7,800円(税抜)。
これを(若い世代の方に)いきなり買えといっても、相当敷居が高いだろうなと。
ならばまず片方のパックを3,900円(税抜)で買ってもらってひと月プレイしてもらい、「楽しいな」と思ってくれたら次の月のお小遣いで残りのパックを買ってもらえたらなと考えました。
こういう形で広めていければなというのが…僕の想いです。
大崎:大丈夫です、同じです(笑)。
あと、本当だったらもっと高い値段つけますよ(笑)。
ですけど、アーケード版を支持していただいた部分があるので、「残したい」という想いがあるんですよね。
なので、お求めやすい価格に、と。
豊田:ゲーム内容に関するこだわりもそうですけど、「漢気」で作ってるトコロはありますね(笑)。
大崎:移植しやすそうというイメージがあるかもしれませんが、グラフィックのシステムってアーケード版とは滅茶苦茶違うんですよ。
だから、最初は「これ違わない?」というのが結構ありました。
業務用のPVと本作のPVを同時に並べて差分をチェックし、おかしい部分を直したり。
パッと見はアーケード版と同じ雰囲気がすると思うんですが、根っこは全然違ってます。
同じなのは、髪の物理のシステムぐらいかな。
豊田:髪の物理のシステムは一緒ですけど、(本作では)髪型のカスタマイズが入っているので、他のモジュールとの組み合わせの関係でパラメータは付け直しています。
大崎:めりこみが酷いと見苦しいですからね。
豊田:膨大なパターンに対応しましたが、その数を数えないことと、好きな人がその作業をするのが成り立つ秘訣ですね(笑)。
大崎:アーケード版は比較的出回ったタイトルなんですが、それでも「俺の周りのゲーセンに置いてないんですよ」という方も結構いたと思うんです。
そういう、初めて届ける方に向かって、「すみません、2万円です」と言うのはありえないでしょう?
豊田:広く満足してもらいたいという意味での価格設定でもありますし、分けることで購入しやすくなると考えて、この形になりました。
大崎:「かけた手間と値段が果たして合ってるんですか?」と言われたような気もしますが、そこは忘れました(笑)。
普通だったら通らないですよ、こんなプロジェクト(笑)。
豊田:一言でいうと、感謝ということですね。
──最後になりますが、ユーザーの方に向けたメッセージをお願いします。
豊田:『Project DIVA』シリーズはすでに確立されていますが、今回新たな試みとして、初めて本シリーズに触る方でも充分遊べる内容になっていますし、この作品の良いところにちゃんと触れられるようにしています。
ライトユーザーやヘビーユーザーはもちろん、新規ユーザーの方も含め、心配せずに遊んでください。
本作が気になったら、まずは無料の『Prelude』を遊んでいただければ、全て分かると思います。
大崎:このタイトルが入っているPS4が愛おしくなるような、そんなタイトルにしたつもりです。
ただゲームとしてだけでなく、セレクターひとつ見ても飽きない、所有欲を満たせるようなものになっています。
まず『Prelude』をダウンロードしていただき、遊んでもらえればと思います。
期待を裏切りません。
ホントやりすぎました(笑)。
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『初音ミク Project DIVA Future Tone』は好評配信中。
価格は、本体アプリケーション『Prelude』が無料。
追加コンテンツ『Future Sound』と『Colorful Tone』が、それぞれ3,900円(税抜)です。
(C) SEGA
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