「スーパーマリオラン」DL1億件超達成も 任天堂、新ゲームも
任天堂の君島達己社長は22日、京都新聞社のインタビューに応じ、16日に配信を開始したスマートフォン向けアクションゲーム「スーパーマリオラン」について、ダウンロード数で1億件以上の達成が可能との見通しを示した。
2017年度以降も年2〜3本のスマホゲームを配信する考えも明らかにした。
「マリオラン」は配信から4日間でダウンロード数が4千万件を超えている。
君島社長は「期待通りだ」と手応えを語り、当面の配信先であるiPhone(アイフォーン)など米アップル端末向けだけで大台突破は可能との見方を示した。
ヒットの要因の一つに独自の課金方式を挙げた。
序盤は無料だが、1200円払うと全体を楽しめる。
他社のスマホゲームでは追加アイテム購入に高額をつぎ込む問題が起きていただけに、「保護者が心配しないで済むようにした」という。
今後は基本ソフト「アンドロイド」版を来年にも投入する。
スマホゲームを新たな収益の柱に育て、「本業のゲーム機ビジネスの押し上げ」や「ゲームファンの拡大」などの効果を狙う。
来年3月発売の新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」に対しても「『任天堂が何か面白いことをやっている』と伝われば、好影響がある」と期待した。
マリオランに対する評価はゲーム業界でも高い。
ゲーム誌を発行するファミ通グループの代表、浜村弘一カドカワ取締役は「子どもでも簡単に遊べる一方で奥が深く、長く楽しめる」と述べ、人気ゲーム「スーパーマリオ」を片手でプレイできる手軽さが奏功したとの分析を示した。
今後の課題は有料プレーヤーの拡大だ。
米調査会社アップアニーによると、配信後3日間で任天堂が得た収益は1400万ドル(約16億5千万円)で、有料の割合は約4%にとどまる。
君島社長は「利用者の反応を見ながら改善し、課金する人の割合を高める」と述べ、既にバージョンアップを実行したことを明らかにした。