トランプ氏の正体みたりで167円下落した週
10日の日経平均は3営業日続落。
1月6日に発表された12月のアメリカの雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びは15.6万人で、2ヵ月ぶりの20万人割れで市場予測の18万人を下回った。
完全失業率は4.7%で11月から0.1ポイント悪化。
もっとも平均時給は2.9%増で、伸び率は2009年6月以来7年半ぶりの高い伸び。
今年中に3回の利上げを予定しているFRBにとって決して悪くはないデータだった。
判断に迷ったのか為替は最初乱高下したが、平均時給を評価しすぐにドル高円安に振れ、ドル円は117円台に乗せた。
ユーロ圏小売売上高は-0.4%だったがヨーロッパ市場は揃って小幅高。
6日のNYダウはフロリダ州の空港の銃乱射事件発生と、複数の連銀総裁が利上げに肯定的な発言をしたために一時下落したが、改めて高値追いし2万ドルの大台まであと37セントに迫ったが達成はおあずけ。
終値は64ドル高で、ザラ場も終値も史上最高値を更新した。
NASDAQも史上最高値更新。
アメリカの貿易赤字は+6.8%で2ヵ月連続拡大し、製造業新規受注は-2.4%と悪かったが、雇用統計の前にはかすんだ。
原油先物は続伸、金先物は下落。
大阪先物夜間取引終値は19600円、CME先物清算値は19585円だった。
9日の上海総合指数は0.54%高。
11月のユーロ圏失業率は9.8%で横ばい。
英国のメイ首相のEU離脱を示唆する発言でハードランディングのリスクが改めて意識されポンドは大幅安。
しかしFTSE100指数は続伸。
ユーロ圏の株式市場は揃って下落。
金先物は上昇。
週明け9日のNYダウは雇用指標への評価が定まらず2万ドルにタッチできずに反落し、19900ドルを割り込み76ドル安。
12月の労働市場情勢指数(LMCI)は-0.3で大幅に悪化していた。
11月の消費者信用残高は市場予測を上回った。
原油先物価格は下落し終値51ドル台。
トランプ政権の経済政策の〃仮想敵国〃中国アリババの馬雲会長がトランプタワーでトランプ氏と会談。
もうひとつの〃仮想敵国〃メキシコでの新工場建設をトランプ氏に指弾されたトヨタはアメリカに今後5年間100億ドルを投資すると表明した。
メキシコ事業は予定通り。
フィアットは「高関税を課す」と吠えるトランプ氏を怖がってメキシコからの撤退をほのめかす。
どうするVW。
「ツイッター攻撃」はハリウッドの有名俳優にも及ぶ。
2017年の利上げのペースについてボストン連銀のローゼングリン総裁は「加速すべきだ」、アトランタ連銀のロックハート総裁は「ゆるやかなペースで」と相反する意見表明。
マージャーマンデーに武田薬品 ががん治療薬を手がけるNASDAQ上場のアリアド社を約54億ドルで買収と発表した。
CME先物清算値は19430円。
大阪取引所は休場。
アメリカの長期金利が低下し為替のドル円は円高が進行し、朝方は115円台後半、ユーロ円は122円台後半だった。
日経平均始値は39円安の19414円。
高値は11時15分の19484円。
安値は1時23分の19255円。
終値は152円安の19301円。
日経新聞が2016年の訪日外国人観光客数が前年比約2割増の2400万人超で過去最高と報じた。
5年連続増加。
政府の目標は2020年に4000万人。
3連休明けの日経平均は小幅安で始まるが、序盤は19400円をはさんで上下に振れる。
為替のドル円が116円をはさんでフラフラ振れて方向性がつかめないため。
SQ週の火曜日の「鬼門」でもあり10時を過ぎても落ち着かないが、19380円付近から下にはいかない底堅さはある。
ドル円は依然116円近辺で動く。
10時30分に中国の経済指標が2つ発表された。
消費者物価指数(CPI)は12月は前年同月比+2.1%で上昇幅は0.2ポイント縮小。
2016年通年は+2.0%でプラス幅は0.6ポイント上昇したが、国家目標の+3%は下回った。
工業生産者出荷価格指数(PPI)は12月は前年同月比+5.5%で上昇幅は2.2ポイント拡大。
2016年通年は-1.4%で、マイナス幅は3.8ポイント縮小した。
5年連続のマイナスだが秋からは月次でプラスに転じている。
発表と同時刻に始まった上海市場はマイナス圏に沈んだまま。
中国の国家発展改革委員会の徐紹史主任は記者会見で、2016年通年の中国のGDP成長率は前年比+6.7%前後になるという見通しを述べた。
8%どころか7%成長もならず。
正式な統計は20日発表。