『ファイアーエムブレム ヒーローズ』8×6マスでも、ちゃんと『FE』だった! シリーズ初のスマホ向けタイトルのプレイインプレッションをお届け
文:編集部 ロマンシング★嵯峨
●スマートフォンで、手軽だけど手強いシミュレーション!
任天堂より2017年2月2日配信予定のiOS/Android用シミュレーションRPG『ファイアーエムブレム ヒーローズ』。
ファミ通.com編集部は、『ファイアーエムブレム』シリーズ初のスマートフォン用ゲームとして注目を集めている本作を、ひと足先に体験する機会を得た。
愛と勇気のシミュレーションRPGは、スマートフォンでどのように表現されるのか!? 気になるポイントを、プレイインプレッションを交えて紹介しよう。
●気軽に遊べる一方で、戦略を練る楽しさは健在
シリーズファンの皆さんがもっとも気になっているのは、“スマートフォンでも、『ファイアーエムブレム』らしい戦略性は保たれているのか”という点だろう。
本作のマップはすべて、スマートフォンの1画面に収まる8×6マスのマップとなっているが、それを聞いて、「そのマップの大きさで、十分なシミュレーションバトルが楽しめるの?」と、疑問を抱いた人もいるのではないだろうか。
では、実際にプレイしてみて、どうだったかというと……結論から言うと、本作のバトルは、すんなり「これは『ファイアーエムブレム』だ!」と思える内容になっている。
家庭用ゲーム機向けタイトルと比べると、一部の要素はアレンジされてはいるが、“敵ユニットの行動を読みながら、味方ユニットを慎重に動かし、戦況を望みの方向へ導く”というシミュレーションバトルの楽しさは健在だ。
本作では、出撃できるメンバーは4人まで。
パラメータは4種類(攻撃、速さ、守備、魔防)に絞られ、命中率という概念はなくなっている(攻撃は必ず当たる)。
攻撃が外れるかもしれない……というランダム性がなくなったぶん、詰め将棋のように、先を読んでユニットを移動させることの重要性が高まった。
おなじみの“3すくみ”の概念は本作にもあるが、命中率への影響がなくなった分、与えるダメージの量が大幅に変わるようになった。
油断すると、相性が悪い属性の相手からかなりのダメージを食らって、あっという間にユニットがやられる(ちなみに今回は、HPがゼロになっても、ユニットがロストすることはない)。
この属性の相性も考慮しながら、従来作以上に吟味して、ユニットを編成・移動させる必要があるだろう。
「うーん、この敵の属性は赤だから……つぎのターンでこのユニットを動かして……ここで間接攻撃を……」と考えているとき、「あっ、いま私、『ファイアーエムブレム』をプレイしている!」と感じることができるはず。
また、“ショップで武器を購入し、装備する”という概念がなくなり、武器の変更がスキルシステムに組み込まれているのも、本作の特徴のひとつ。
たとえば剣士のロンクーなら、最初は“鉄の剣”というスキルを所持しているが、敵の撃破やレベルアップを通じて獲得できるSP(スキルポイント)を使って、“鋼の剣”や“キルソード”といったスキルを習得すれば、より大きなダメージを与えられるように。
ただし、効果の高いスキルを習得するには、特別な強化素材を使ってそのユニットのレアリティ(★の数で表される)を上げる必要が出てくる。
ユニットを育てるには少々時間がかかるが、がんばって育てれば、マルスはファルシオンを使えるようになるし、スナイパーのジョルジュならパルティアが使えるようになるのだ。
これは育て甲斐があるというもの!ほかにも、味方を支援できるスキルや、“奥義”と呼ばれる非常に強力なスキル、所持しているだけでプラスの効果があるスキルなどもあり、どのスキルを覚えるか、セットするかも戦略の要となる。
なお、1マップを攻略するのに必要な時間は、プレイヤーにもよるが、5分といったところ。
移動時間やちょっとした休憩時間のときに楽しめる。
とはいえ、後半になると、敵ユニットが強いスキルをわんさか持っていたり、マップにギミックが施されていたりするそうなので(序盤のマップでも、攻撃することで壊せる壁のギミックが確認できた)、そういったマップはじっくり腰を据えてプレイしたいものだ。
リリース段階では、ストーリーマップの難易度ノーマルだけでも、50個ほどのマップが用意されているとのこと。
攻略するのがいまから楽しみ。
ちなみに、マップでユニットを行動させるときの操作方法は、下記の2種類。
片手でもプレイできる仕様になっている。
・味方ユニットをスワイプして、攻撃させたい敵ユニットに重ねる
・味方ユニットをタッチし、つぎに移動させたい場所をタッチ。
続いて、攻撃したい敵ユニットをタッチする
このふたつの操作方法は、オプションで切り換える必要はなく、併用してプレイが可能。
お好みの方法でプレイしよう。
このほか、“おまかせ”操作を選ぶと、オートで戦闘を進めることも可能だ。
●好きなキャラクターをとことん愛せる!
本作では、英雄……つまり、過去作のキャラクターを召喚して、味方を増やしていきながらゲームを進めていく(ストーリーマップでは、新登場キャラクターと歴代キャラクターが共演するオリジナルの物語が展開)。
召喚する際に使用するオーブは、ゲームを進めて行くと入手できるほか、課金でも手に入る。
リリース時は、『暗黒竜と光の剣/新・暗黒竜と光の剣』、『紋章の謎/新・紋章の謎』、『封印の剣』、『烈火の剣』、『覚醒』、『if』から、100人ほどのキャラクターが登場。
今後のアップデートで、他作品のキャラクターもどんどん追加予定だという(個人的には『聖戦の系譜』を心待ちにしてます)。
ちなみに、記者は今回のテストプレイで★4のマルスと★5のタクミをゲットしてしまい、「テストプレイで運を使い果たしてしまった……」と、うれしいような悲しいような複雑な気持ちになった。
リリース後、またマルスとタクミに会いたい……!
それにしても本作は、キャラクターを愛している人にはたまらない仕様が満載。
キャラクターイラストは描き下ろしで、全キャラクターに4枚のイラスト(通常時、攻撃時、奥義使用時、被ダメージ時)が用意されている。
被ダメージ時のイラストは、キャラクターによっては、ちょっとドキッとするものも!?
そしてボイスも録り下ろしだ。
これまでのゲーム作品でボイスがついていたキャラクターについては、基本的にキャストを踏襲。
ボイスがなかったキャラクターについても、イメージに合う声優さんが新たにキャスティングされている。
リンダは瀬戸麻沙美さん(そういえば『幻影異聞録♯FE』でもリンダ役でしたね)、マリクは保志総一朗さんなど、絶妙なキャスティングに「うんうん、わかる!」とうなずいてしまうはず。
そして何よりうれしいのは、どのキャラクターも、愛を持って育てれば、★5まで育てられるということ。
愛さえあれば、サジ・マジ・バーツだって、リフだって★5になれる(リリース時に、サジ・マジが実装されているかは不明だが……。
バーツとリフはテストプレイで確認できた)。
『ファイアーエムブレム』シリーズは、プレイヤーによってお気に入りのキャラクターがまったく異なる。
だからこそ、どのユニットを使っても進められる、どのユニットも強くできるという本作の自由さは、ファンにとって、とてもうれしいはず。
そうそう、英雄召喚時には、おなじみの「出会いのテーマ」が流れる点も見逃せない。
ずっと曲を聴いていたくなるくらいだ。
曲と言えば、記者がプレイした序盤のマップでは、『紋章の謎』の人気曲「進撃」が流れており、これもうれしかった。
シリーズファンは、曲にもご注目(ご注耳?)!
さて、ここまで紹介してきた『ファイアーエムブレム ヒーローズ』は、基本プレイは無料。
まずは気軽にダウンロードしてみてはいかがだろうか。
シリーズ経験者はもちろん、未経験の人という人は、25年以上の歴史を持つ『ファイアーエムブレム』とはどんなゲームなのか、本作を通じて体験してみては?
『ファイアーエムブレム ヒーローズ』クロムやレオン、リフなど参戦キャラクターのイラストが新たに公開!