『ペルソナ5』の「主人公はあなた」がもたらす体験とは

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アトラスのPS4/PS3ソフト『ペルソナ5』の発売から早2週間が経過した。
「本作の最大の敵はラスボスではなく、その圧倒的なボリュームだろうと」と解釈している筆者だが、プレイ時間が80時間を超えたあたりに無事エンディングを迎え、今まさに「この気持ちを誰かと共有したい!!」という思いでいっぱいだ。
ただ、ネタバレの視点から中々言葉にすることが難しく、Twitterで呟こうにも内容に悩んでしまう。
一度悩みだすと全てがネタバレの様に思えてくるのだ。

そこで今回は、アトラスに内容を事前に確認してもらい、『ペルソナ5』はどこが面白いのかという記事をネタバレなしで書いていこうと思う。
なお、基本的な概要などはあえて割愛しているので、まったく知らないという方は、先に公式サイトをご覧頂きたい。

◆紛れもなく私の物語
『ペルソナ5』をプレイする直前、よく「ゲームの面白さとは何だろうか」と考えていた。
というのも、本作発売前というのは『シン・ゴジラ』『君の名は。
』『聲の形』という素晴らしい映像作品が立て続けに公開された時期で、ゲームをプレイするモチベーションがかなり下がっていたのだ。
何十時間かけてプレイするゲームと同じかそれ以上の感動や高揚感を、これらの作品に感じてしまったからである。
また、これは完全に私の好みの問題だが、ここ最近は心躍るゲームに出会えていなかったのも影響しているように思える。
クリア前に満足し、心のどこかで「早く終わらないかな」と思いながらゲームを消費していたのだ。

だが『ペルソナ5』をクリアしてスッキリした。
「やっぱりゲームって面白いな」と清々しい気持ちである。
本作では高校2年生の約1年間を体験することになるが、その期間をどう過ごすかはプレイヤーに委ねられる。
もちろん何日かはメインストーリーの進行に当てられるが、それ以外の時間は、バイトをしてお金を稼いだり、読書をして知識を蓄えたり、洗濯をして服を洗ったり、政治家と一緒に過ごしたり、恋人とデートしたり……と、様々な行動項目の中から好きなものを選択できるのだ。

本作では、この“自分で選択する”という要素が非常に上手く取り入れられており、どの行動にもメリットがある。
そしてワクワクやドキドキが詰まっており、まったく無駄がなく、それでいてオリジナリティに溢れ、オーソドックスでもあるのだ。
『ペルソナ5』には様々な魅力があるが、一番大きな魅力は“主人公=自分として体験できること”だと思う。
本作の公式サイトに「主人公はあなた」と書かれているとおり、本作の物語は“あなたの物語”だ。
だから80時間なんてあっという間だし、ストーリーが進むにつれて「終わらないでくれ」という願いが強くなっていった。

そしてゲームでの体験が、現実の生活にも影響を与えていることに気がついた。
分かりやすいのだと「人と繋がっていたい」だろうか。
本作をプレイしてから人と会う頻度が高くなり、より一層人との繋がりを大切にしたいと思うようになった。
また細かなところだと「コーヒーについて知りたい」とか「家に友達を招きたい」とか「銭湯に行きたい」とか「鞄に猫を入れたい」などを思うようになり、なんだか自分の生活が豊かになった気がする。
ここまで熱狂した作品は久しぶりであり、それを実現させたセンスと拘りに脱帽だ。

そう考えると、どうやら私も“更生“を成しえたようだ。
これが『ペルソナ5』の体験であり、ゲームならではの魅力なのだろう。
だから『ペルソナ5』は、そしてゲームは、面白いんだ。

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『ペルソナ5』は発売中で、価格は通常版が8,800円(税抜)/豪華版が13,800円(税抜)です。

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